契約書業務マニュアル

平成15年から契約書だけをつくり続けてきた契約書専門の行政書士

契約書のマナー

契約解除条項のパターン解説

数日前は 雨が少なくて水不足が心配されていた関東も、 今日は非常に激しい雨になるという。 確かに今も 凄い風が吹いていて 天気は見るからに荒れ模様。 天気を予測するのは 本当にむずかしいのだ。 予測が難しいといえば人間関係である。 元サッカー日本代…

ソフトウェアの瑕疵のリスク

さて昨日のつづきで、 ブラジルがなんであんなに強いんだかという話から、 契約の言語化について。 ようするに、 「技術」には見えない部分があり、 それが強さの秘密だったり、 逆に負ける原因だったりするのではないかという意味のことを書いた。 ソフトウ…

著作権の問題を、あらかじめクリアしてしまう方法

著作権 ということばは一般的にもよく知られているが、 具体的には結構むずかしい法律である。 TPPとのからみでも、 さかんに議論されているし、 著作権侵害のはなしは、 あちこちで見かけない日はない。 それくらい身近で、 しかし複雑でよくわからない…

あなたの利益を守る 権利帰属の規定のしかた

テレビなんかでも、ちょっと有名なデザインが映像資料でつかわれたりすると、これって、権利関係どうなってるのかなーなどと気になったりしないだろうか。業務委託契約なんかでは、知的財産権について規定しなければならないときがあり、これが一般の人には…

変更に応じるか否か。協議不調に備える契約テクニック

勝負の世界ってのはやはり厳しいもので、昨夜のサッカーの試合にはひやひやさせられた。でもワールドカップ出場が決まって嬉しかった。なんというか本田選手のメンタルの強さには、やはり天才性を感じる。ああいう場面でPKを蹴る心境っていうのは、もはや…

揉めている相手と「協議」なんてできるのか? 誠実協議条項について

契約書によく書いてあるものに、協議条項というものがある。なにかあったら「別途協議して定める」とか「誠実に協議する」といったものである。契約書に定めていないことについては、話し合って決めましょうねという意味だ。「互いの解釈が相違した場合」な…

「偽装請負」といわれないためにできること

めだかが好きで、飼っているのだが、彼らは、水槽の内部の色によって、体の色をわずかだけれど変化させている。内側が黒っぽい容器で飼うと、色がきれいに出るようだ。思えば人間も、環境によって微妙に、感情や行動を変える生き物だ。進化の歴史上、その方…

失敗しない契約書の構造 再委託をしてよいかどうかの考え方

さらに契約戦略への理解とリテラシーを高めていくために、一般条項についても解説したい。前半部分が読め、大まかに取引の概要をつかんだところで、中盤へと契約書を読み進めていくことになる。ここからはいよいよ、取引の具体的な内容である、契約条件の条…

リストアップは最強の契約テクニック

結局のところ、いい契約書をはやくつくれるようにしたり、誰でもチェックできるようにするのには、ポイントをリストアップしておくのが最良、最強だ。どんな業務でも、ある程度は定型化できる。しくみ化できる。レストランの料理だって、昔はコックさんが独…

契約書には印紙をはるのか? 2 結構怖い過怠税

印紙税の件の補足を。記載金額によって、おさめるべき印紙の額が変わる場合に、消費税は金額に含めて計算するのだろうか?結論からいえば金額の記載方法次第で、含めないことがある。明確に消費税分が分けて書いてある場合である。ようは、金額と消費税額と…

契約書には印紙をはるのか?

ものすごく多い質問のひとつに、「え? 契約書って印紙をはるんですか? 」というのがある。結論から言うと、貼ることもあるし、貼らないこともある。これは気分で決めているわけではなく、印紙税法にこまかく定められているルールがあり、それにあてはまっ…

契約書が2枚以上になったときの綴じ方

意外と契約書の製本について質問も多いので、説明したい。といっても、むずかしいことはなにもなく、単純に、ホチキス留めでかまわない。ただしホチキス止めの場合には、かならず全ページの見開き部分に契印をする。つまり差し替えられていないことを示すた…

契約書のハンコの押し方 まとめ

日本では、契約書に署名した上でハンコを押す。署名だけでも効力はあるが、事実上、押印は必須といえる。ハンコには、「実印」「認印」「三文判」などと数種類の呼び方がある。「実印」は、役所(市町村役場や区役所)に登録してあるハンコのこと。だから実…

ただの紙切れを契約書にする方法

契約書が契約書といえるために一般的な形式があるという話。すでに説明したように契約書は意思表示の合意で成立するから、契約書の形式的なことがらは、成立の問題というよりは、証明可能性の問題である。特に、日付と署名、押印が、とても重要になってくる…

著作権を譲渡できない場合もある

著作権は、譲渡できる権利である。これはビジネスをするうえで非常に重要な要素で、つまりは権利を、まるで商品のようにあつかうことができるということだ。著作権は、制限規定というルールにより、著作物を利用するのに著作権者の許可がいらないこともある…

パロディは著作権の侵害か?

著作権の管理に関する条項は、ビジネス契約書でよくあるもののひとつだ。たとえばあるデータや制作物の権利が、当事者のどちらに帰属するか、などを、契約書で確認しておく必要がよくある。あとで綱引きにならないためだ。著作権とは簡単にいえば、自分の作…

債務不履行にもかかわる「ウイーン売買条約」とはなにか?

債務不履行にたいして解除や損害賠償請求権がみとめられるという説明をしたので、ウィーン売買条約についても補足しておきたい。民法からは直接導けないものの、国際的には、相手方の不完全履行に対して、売主からの追完を認めるというルールもあったりする…

損害賠償はいくらくらいとれるのだろうか?

債務不履行によって契約を解除できることがあることはすでに書いた。つまりa 債務不履行がありb 不履行が相手方の責に帰すべき事由によることでありc 解除が541条の手続(相当の期間を定めた催告)に従ってなされていることが民法上の「契約解除」のポイント…

契約違反には、どう対処したらいい?

契約書をつくっておくのはあいての契約の違反を予防するためでもあるが、そもそも契約違反についてはどのようなルールがあるのだろうか?民法でいえば約束への違反というのは債務不履行に関するルールでかんがえることになる。債務不履行というのは契約に違…

素早く法律をリサーチするコツ

契約書にタッチするようになれば、自然と、法律に関する調べ物をする必要がでてくると思う。現在はインターネットでおびただしい情報が公開されているし、便利だけれど、それゆえときどき、ネットで調べたらこうだったから、これでいいでしょう?というよう…

契約のトラブルを防止するには?

かんじんの、トラブルを予防するにはどうするか?であるが、適切な契約書をつくることで、あらかじめ当事者同士が、契約内容を十分に伝え合って、契約を守るしかない。これを予防法務といったりする。契約は法律的な社会制度であることを考えると、法務担当…

契約書の解釈とトラブル

自社にとって重要な条項が、相手に都合よく解釈されては、こまってしまう。おなじ言葉でも読む人によって、その意味がちがって受け取られることがある、ということだ。契約書ではこれをなるべく避けるために、できるだけ詳しく、具体的に表現するように注意…

契約のトラブルとは?

契約関連のトラブルにはどんなものがあるのだろうか。ようは相手の約束違反であって、相手がなんらかの約束(期日、支払、その他の契約条件等)を守らない、というようなことだ。契約書の不備にフォーカスしていえばa. 取引はたしかにあったが、契約書が作成…

契約書に効力があるのか?

契約書の法律的効力とは?「この契約書の効力はありますか?」 という質問はよくある。実は契約書の「効力」というのは意味がたくさんあって、質問者本人もあまりこまかくは意識されていない。 「その契約が成立しているかどうか」という意味でもあるし 「妥…

なぜ 契約書をつくるのか?

契約を活用するメリットとは具体的になんだろう?つまり、なぜ契約書をつくるのか。学問的にかんがえれば、そもそも社会に「契約」という法的制度が必要な理由は、契約を法的に保護しないと、約束を守る理由が、道徳とか、自力救済のみにかたよる可能性があ…

適法なら、どんな約束でも「契約」になるのか?

適法な「約束」だったらすべて「契約」になるのか?という方向で考えるのも、契約のロジックを学ぶ上でいい練習になる。法律違反でなければいいか?適法な約束ならすべての意思表示が契約となるのか?というと、当然ながら例外がある。よく引き合いにだされ…

では、どんな契約をすべきか?

意思主義で成立する契約であるが、では、どんな契約をするべきなのだろうか?民法にも典型契約が定められているけれど、 実は必ずしも、民法で決められた通りの契約をしなければいけないわけではない。これを「契約自由の原則」というが、誰と、どのような内…

そもそも契約とはなにか?

そもそも「契約」とはなにか? といえば、法律的な約束ということになる。たとえばA社がB社から材料を100個購入する、と約束をしたとき、法的にはこれを「A社とB社との間に、売買に関する契約が生じている」というぐあいに考えるわけだ。ごくかんたんに成立…

デザインはだれのものか?

デザイナーさん、 クリエイター、 ホームページなど、 制作物を担当する方々にとって、 デザインは商品だ。 商品だから、 依頼主から発注を受けて、 お金をもらって制作する。 めでたく納品し、 お金ももらったあとは、 そのデザインはどうなるか。 当然、 …

じぶんの著作権を守るベストな条文とは?

自分の著作権を守りたいという相談をよく受けます。 どうすれば著作権を守ることができるか? かんたんにいえば、 これは、 理論的に主張するしかない。 著作権に関する合意をしたら、 かならず書面にしておくこと。 契約書を作成しておくことが必要です。 …