契約書業務マニュアル

平成15年から契約書だけをつくり続けてきた契約書専門の行政書士

契約書のマナー

「契約書なんてかたくるしいから、メールで発注しておこう」はなにか問題ある?

■対等な取引なんてない? 業者同士の契約でも、 発注側はお客様だからなあ・・。 お仕事をひきうけるほうは あまり文句がいえないのが現実ですよね。 法律的には「契約自由の原則」というのがありまして、 取引は対等の立場で行われるべきですが。 それはあ…

契約書ではなく 「注文書」でも 印紙を貼るの?

契約書には、その種類によっては、印紙を貼ることがあります。 が、課税はあくまでもその書類の内容で判断されるため、タイトルが「契約書」ではないものでも、印紙を貼らなければならないことはあります。 ではたとえば「注文書」についてはどうなのでしょ…

親事業者がやってはいけないこと

航空機業界では、 「権威勾配」 ということばがあるという。 機長と副操縦士の間に、 権威の差があって、 たとえば機長の権威が強すぎると(勾配が急になると)、 もし機長の判断が誤っていても副操縦士がそれを指摘しにくくなり、 重大なミスにつながる、 …

発注書は保存すべきか?

下請法は一定の業務委託契約に 関係する法律だから、 業務を「発注」する場面では、 常に意識される必要がある。 具体的に どういった取引に、 下請法が適用されるかを検討してきたが、 では、 適用されたらどうなるのか? というと、 親事業者に、 義務と禁…

90日後の支払は問題か?

仕事を発注するものにとっては、 支払は遅ければ遅いほど 助かるものである。 逆に、 仕事を引き受ける側にとっては、 支払は早ければ早いほど ありがたいものである。 月末に支払われるのと、 月初に支払われるのとでは、 わずかに1日の差ではあるが、 受…

商社を通せば下請法該当しないのか?

下請法の対象となる、 委託取引について 説明してきた。 一定の委託取引には、 下請法が適用されること、 下請法でいうところの、 委託には、 ①製造委託 ②修理委託 ③情報成果物作成委託 ④役務提供委託 の、 おおきく4つの「種類」があること がわかった。 …

セミナー講師は下請法該当するか?

さて、 一定の委託取引には、 下請法が適用される。 というわけで 引き続き、 下請法のポイントを確認したい。 下請法でいうところの、 委託には、 ①製造委託 ②修理委託 ③情報成果物作成委託 ④役務提供委託 のように おおきく4つの「種類」があることをみて…

無料パンフレット制作は下請法該当するか?

さて、 一定の委託取引には、 下請法が適用される。 というわけで 引き続き、 下請法のポイントを確認したい。 下請法でいうところの、 委託には、 ①製造委託 ②修理委託 ③情報成果物作成委託 ④役務提供委託 のように おおきく4つの「種類」があるが、 今日…

建築工事に下請法適用されるか

さて、 一定の委託取引には、 下請法が適用される。 というわけで 委託とはなにか、 などを昨日とりあげ、 下請法でいうところの、 委託には、 ①製造委託 ②修理委託 ③情報成果物作成委託 ④役務提供委託 のように おおきく4つの「種類」があるという話をした…

プライベートブランドは下請取引にあたるか

まえから書きたかった、 下請法に関する ポイントをいくつかまとめていきたい。 下請法とは、 下請事業者の保護などをはかるために、 適用対象や違反行為を類型化している法律である。 ようするに、 どのような下請取引において、 どのような行為が違反にな…

無料サービスの契約責任

昨日の続きであるが、 賠償責任が生じる道筋を 契約の観点からみていっている。 今回は 瑕疵担保責任についてである。 そもそも民法がいう 「瑕疵担保責任」とは どんなものだろうか? ひとまず 売買契約で考えてみよう。 民法第 570条は、 売買の目的物に「…

無料サービスの契約性

無料であげたものが、 壊れていたといわれたら、 あなたは修理してあげるべきだろうか? 契約は 当事者の合意で成立する 法律的な約束である。 無償かどうかは、 契約の性質の問題だから、 タダで物をあげたり、 サービスを提供するのだって、 一種の契約に…

免責の考え方

ビジネスのリスク回避テクニックとして 非常に重要なのが、 免責という考え方である。 何かあってから それは免責とさせていただきます、 などといっても遅い からである。 転ばぬ先の杖、 ということで 契約書の 免責条項の効果について説明したい。 「損害…

消費者契約法と免責

損害賠償責任を負わない、 という条項はどうなのか という話の、 さらに続きである。 消費者契約法の観点から、 無効と考えられるケースを 観察してきたけれど、 すこし原理にさかのぼって かんがえてみたい。 この手のいわゆる免責条項は、 事業者に落ち度…

免責の妥当性

損害賠償責任を負わない、 という条項はどうなのか という話の、 さらに続きである。 消費者契約法の観点から、 無効と考えられるケースを 観察してきたけれど、 すこし原理にさかのぼって かんがえてみたい。 この手のいわゆる免責条項は、 事業者に落ち度…

免責の有効性

さて昨日の続きであるが、 いかなる理由があっても一切損害賠償責任を負わない と事業者が 規約などに定めたとして、 これが消費者向けに 商品やサービスを提供する契約だった場合、 有効なのかどうか? である。 結論から言えば 消費者契約法の観点からは、…

損害賠償

契約書が 有利とか不利とかいう 言い方はよくあるけれど、 契約書が有利とはそもそもどういう状態だろう。 契約書というのは、 約束したことを 紙に書いておくことであるので、 「一定の事実を証明しやすくなる」 という意味では、 それが存在することで 有…

覚書のつくりかた3

覚書(おぼえがき)の作成スキルは、 人生を守ってくれる。 すぐに効果は実感できないけれど、 あのとき作成しておいて本当によかった、 という経験を何度もしたし、 そういう場面にも仕事柄多く遭遇している。 「言った、言わない」のトラブルというのは、 …

覚書のつくりかた2

「言った、言わない」 のトラブルというのは、 特に金銭がからむと、 精神的にも実質的にも、 ダメージが大きい。 ようするに、 詐欺にあったような気持ちになる。 いや、 詐欺は意外と身近な問題なのだ。 テレビやニュースをにぎわす大がかりで、 確信犯的…

覚書のつくりかた

誰しも一度は ご経験があると思うが、 「言った、言わない、聞いてない」、 というのは、 本当に困りものだ。 悔しい思いをする。 特に お金に関することを 口約束にしてしまうと、 高い確率で揉めることになるから、 注意したい。 世の中には、 くちばっか…

外国で作成する契約書でも、印紙を貼るのですか?

印紙税がわからないという声は多いが、 たしかにこれは複雑だ。 契約書に貼る 印紙税は形式ではなく、 あくまでもその課税文書(この場合の契約書)の 内容によって課税がかわるから、 さらにややこしいのだ。 ところで 海外との取引に関して 契約書を作成し…

不可抗力とはなんですか? 後編

前回の続き。 「不可抗力」 という言葉について もう少し詳しく確認しておこう。 広辞苑によれば 不可抗力は、 ① 天災地変のように人力ではどうすることもできないこと。 ② [法]外部から生じた障害で通常必要と認められる注意や予防方法を尽くしてもなお防止…

不可抗力とはなんですか?

自分たちではどうしょうもない原因で損害が生じたとき、 「不可抗力だからしょうがない」、 みたいな言い方をすることがある。 契約書においても、 「不可抗力」は よく出てくる概念である。 そもそも不可抗力とは なんだろう。 何かしら損害が生じたとき、 …

簡単な契約書の作り方

契約書をつくるときは、 ひな形(サンプル)を探す事になると思う。 最近はネットで検索すれば すぐにみつかるし、 あらかじめデータになっているので、 便利である。 ひな形をいくつかみつけたら、 ワードなどの文書作成ソフトにはりつけて、 実際に自社の…

契約書には印紙を貼るのですか? 

契約書には印紙を貼ることもある。 とういわけで、 昨日に引き続き 印紙の貼り方である。 契約金額を変更する契約書には、 印紙を貼るのかどうかという話であったが、 考え方は以下の通りである。 国税庁のHPによると、 [平成25年4月1日現在法令等] 契約金…

契約書の収入印紙

契約書には印紙を貼ることがある ということを、 知らない方もいる。 そう、 契約書には、 収入印紙というものを貼り付けることで、 印紙税という税金を納めることがある。 「ことがある」、 というのは、 課税文書ではない場合もあって、 (非課税文書) そ…

最適な契約書を素早くつくる方法

契約書を手っ取り早くつくる話である。 じつは 昨日いただいたお問合せのなかに、 「契約書の書式がなかなかみつからないのだが、 どうすればよいか悩んでいる」 というような趣旨のものがあった。 僕のホームページでは、 なるべく多くの契約書サンプル書式…

準委任契約のポイント

もしあなたが なにかのコンサルタントだったら、 仕事を続けるうえで契約書は重要である。 コンサルタントにもさまざまなものがあるけれど、 クライアントの信頼を得ることが大切であるという点は、 どんなタイプのコンサルティング業務でも 共通していると…

紛争処理解決のための条項例

辛坊治郎氏 コメンテーター休業示唆 という記事がでていた。 小型ヨットで太平洋を横断する挑戦をしていたが、 ヨットが浸水してしまったため、 断念され、救助されて助かったのだ。 僕などは、 「無事に助かってなによりではないか」、 と感じるのだが、 や…

損害賠償リスクの調整について

なにかミスが起きたとき、 それが 誰のせいかを考えることは、 たしかに原因の要素を発見することに役立つことがあろう。 しかし、 それが単なる犯人探しだとしたら 無意味だし、 士気が下がるだけなので やめたほうがよい。 大事なのは、 いかに適切にシス…