契約書業務マニュアル

平成15年から契約書だけをつくり続けてきた契約書専門の行政書士

契約書には印紙をはるのか? 2 結構怖い過怠税

印紙税の件の補足を。

記載金額によって、
おさめるべき印紙の額が変わる場合に、
消費税は金額に含めて計算するのだろうか?

結論からいえば
金額の記載方法次第で、
含めないことがある。

明確に消費税分が分けて書いてある場合である。

ようは、
金額と消費税額とを分けてかいてあれば、
その部分は消費税であることがはっきりしているのだから、
記載金額とは別のあつかいになる。

もっと具体的には
消費税の取扱
消費税及び地方消費税の金額が
区分記載されている場合や、
税込価格及び税抜価格が記載されていることによって、
その取引にあたって課されるべき消費税額等が明らかとなる場合には、
「建物売買契約書」などの第1号文書、
「工事請負契約書」などの第2号文書、
「領収書」などの第17号文書について、
その消費税額等の金額は記載金額に含めないこととされる。

たとえば請負契約書において、

① 請負金額 1,050万円 税抜価格 1,000万円 消費税額等50万円 と記載したもの
② 請負金額 1,050万円 うち消費税額等50万円 と記載したもの
③ 請負金額 1,000万円 消費税額等50万円 計 1,050万円 と記載したもの
④ 請負金額 1,050万円 税抜価格 1,000万円 と記載したもの

は、通常請負契約書であれば
第2号文書に該当するから、
記載金額 1,000万円ならば、
印紙税額は1万円となる。

(もし記載金額が1050万円とされてしまうと、
印紙税額は2号文書の場合2万円になってしまう。)

①から④は、
表記方法によって、
消費税部分が容易に、明確にわかるのだから、
記載金額は消費税を含めずに
1000万円と考えるわけだ。

それから
印紙を貼り忘れるとどうなるのか?
の補足であるが、

印紙税のかかる文書の作成者が、
印紙税を納付しなかったときは、
たとえ印紙税がかかることを知らなかったり、
収入印紙をはり忘れた場合であっても、
納付しなかった印紙税の額の3倍
収入印紙をはっていないことを自主的に申し出たときは 1.1倍)
過怠税が課税される。

これはけっこう痛いので気をつけたい。
また、せっかく貼った場合でも、
文書にはり付けた収入印紙に所定の方法で消印をしなかったときは、
その消印しなかった収入印紙の金額と同額の過怠税
が課税される。

当然ながら過怠税は、
その全額が法人税の損金や所得税必要経費に算入されることはない。