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わかる! 使える! 契約書の基本

契約書は経営、起業・独立、副業に必須のスキルです! 自分で契約書がつくれると楽しいですよ

契約のトラブルとは?

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契約関連のトラブルには
どんなものがあるのだろうか。

ようは相手の約束違反であって、
相手がなんらかの約束(期日、支払、その他の契約条件等)を守らない、
というようなことだ。

契約書の不備にフォーカスしていえば

a. 取引はたしかにあったが、
契約書が作成されておらず、
後日紛争になるケース

b. 契約書はあるのだが
契約書に書かれていないポイントをめぐって
紛争になるケース

c. 契約書はあるのだが、
その解釈をめぐって紛争になるケース

などがある。

この、
そもそも契約書をつくってなかった、
というのは昔からけっこう多くて、
結果、
「言った」「言わない」「聞いてない」といった水掛け論になる。

こうなると法的な問題はもちろん、
当事者間にはものすごい感情的な対立がまきおこる。

けっこうこわいのだ。

契約書を交わさないことが商慣習になっていることも多く、
そういう状況では正式な契約書を締結するという行動が、
非常に大きなコストになってしまう。

常識的に考えても、
こういう状況ではいちいち
契約書を交わさないだろうしなあ
というケースもあって、
なんともむずかしい。

たとえばものをこわしたとして、
その修理費などを弁償させる、といった約束だ。

もちろん一筆書いてもらうのが望ましいのだけど、
現実にはその場で口約束ですませてしまうことが多い。

で、
たいてい後から話が違ってきて、
当事者間で責任のなすりあいになる。

たとえば自動車修理を請け負った会社が、
その修理代金の支払いをめぐって訴訟となったケースでは、
依頼主が第三者から支払わせようとしてトラブルになった。

似たような事例、判例は枚挙にいとまがないのである。

契約書があっても、
肝心なことが書いてないために、
揉めてしまうケースもある。

もったいないことである。
が、これも多い。

内容が中途半端な契約書は、
相手方が契約書の不備を突いて、
自分の方に有利に解釈をすすめるおそれがある。

人間、トラブルになると、
自分の主張に都合のいいところだけを取り出して、
それをおおげさに広げて解釈しだしたりするもんである。

契約書があるのに、
その内容が活動の趣旨に書いてないから
そもそも契約が無効だとか、
いいたいことを言い出す。

冷静になって考えてみると、
単なるあげあしとりなのだけれど、
本人たちはいたって本気だったりする。

もちろん契約書には、
当事者間のオリジナルな合意事項があれば、
もれなく書いておきたい。

できるだけ不備がないことが望ましい。

ただこれがなかなかむずかしい。
そもそも契約するときにはそんなにこまかいところまで、
話し合ってはいないからである。

そこで、抽象的な表現に
ならざるを得ない場合がある。

たとえば損害賠償については、
民法の規定にならって

「相手方に損害を与えた場合は、
その損害を賠償するものとする。」

のように大雑把にしておくことはよくある。

契約書に書かなくても、
原則として民法は適用されるだろうから、
これは確認規定とよばれる。

民法第415条には
「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、
債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。」
 
とあるので、
ひとつの共通認識として、
それと同様の趣旨を確認しておきましょう、ということだ。

このような規定にはメリットもある。
事前に明確な話し合いはなかったものの、
民法上の義務を負っていることを、
まあ、確認しておけるからだ。

こういう表現は、
まちがいではないし、
契約書の格調をたかめるという意味でも、
記載しておいて損はない。

ただデメリットとしては、
こういった確認規定が
実際に役立つかというと、
少々ものたりないということが
上げられる。

つまり

「損害の賠償を請求できる」

とあるだけでは、
どのような場合に、
どの程度の賠償が請求できるのか、
という重要な部分については、
それだけでは判断できないからだ。

「相手方に損害をあたえたとき」、

といわれても、
どのような「とき」に
どのような損害がこの規定にあてはまるのかは、
事が起こってからあらためて解釈しないとならない。

まあそこまで
決めていないから書けないわけだが。
日本の契約書には
こういう表現がとても多い。

正直、
この程度の規定があっただけでは、
現実に損害が発生したときには、
まず役に立たないだろう。

海外でつくられた
英文契約書なんかを読む機会があったら、
損害賠償で上記のような表現をしているのを
探してみてほしい。

おそらくほとんどみあたらないのだ。