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わかる! 使える! 契約書の基本

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利用規約が会社を救う!? 他社のコピーを超えた、最適な利用規約のつくりかた

契約書のつくりかたとルール ビジネスに役立つ契約書のコツ 
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ウェブサービスなどにつかう

利用規約のつくりかたについて。

 

 

■他社の利用規約を流用してもいいの?

 

 

正直あまり読まれないけど、

いざというときはとても重要利用規約

 

 

作成の際、

他社のコピーでかまわないのかどうか? も、

悩むところですね。

 

 

公開される性質上、

参考になりそうな規約が手に入りやすいのは、

ありがたい特徴です。

 

 

よって、おおいに事例は活用しつつ、

ちゃんと自社のサービスに合った利用規約を作成したいですよね。

 

 

他社の利用規約の内容を参考にすること自体は、

通常は問題ありません。

 

 

なぜなら、

規約などの条文というのは一般的な著作物と違い、

「定型的な表現」や「限られた表現」になることが普通だからです。

 

 

つまり「規約」は思想や感情とは別の、

ルールを条文化した内容である以上、

「ありふれた表現」として著作物性が否定されるからです。

 

 

ただもちろん限度はあります。

 

 

似たような他社のサービスをみつけたからといって、

それ自体の特徴的な表現や、

オリジナルな条項の細部に渡るまでそっくりそのまま流用すれば、

さすがに著作権侵害の可能性が出てきますから注意してください。

 

 

ようするに参考にするのはセーフで、

丸写しはグレー(場合によっては黒)だよということです。

 

 

 

利用規約って何を規定すればいいの? 

 

他社の例を参考にするにしても、

ある程度の知識が必要です。

そもそも利用規約って何が書かれているものなのか、

構造を理解しておきましょう。

 

 

そもそも利用規約には、

 

1 サービスの流れや内容を知っていただく

2 ユーザに一定のルールを守っていただく

3 事業者の責任を制限、免責する

4 万が一のトラブルに備えて、対応を決めておく

 

 

などといった役割があります。

もちろん、利用規約のあるちゃんとしたサービスだ、

という信頼感の演出も重要な要素です。

 

 

これらの目的や役割は、

いってみれば料理の材料のようなものです。

 

 

まずどんな材料が要るのかを知り、

各社の規約から該当する材料をあつめておいて、

あとはうまく配置をするように書いていけば良いわけです。

 

  

たとえば1の、

「サービスの流れ」についていえば、

各社の規約に「申込方法」や「アカウントの設定」、

「パスワードの保存」、

「課金の有無やその具体的方法」

などの項目が見つかるはずです。

 

 

 

2の、

「ユーザに守っていただきたいこと」については、

「禁止事項」の項目がほとんどの利用規約に規定されているはずです。

 

 

規定は過去の経験の集積ですから、

参考にすることで自社のリスク予防にも役立てられます。

禁止項目の主なタイプを挙げてみましょう。 

 

①ルール違反を禁止したい

(法令への違反、公序良俗違反、利用規約への違反)

 

②コンテンツの不適切な表現を禁止したい

(虚偽、暴力、反社会的、詐欺的、名誉棄損、差別、犯罪の幇助などのコンテンツをアップロードすることの禁止)

 

③自社サービスへの不適切な行為を禁止したい

リバースエンジニアリング、システムに支障のある行為、不正な操作、妨害行為、ウイルスの送信)

 

④他のユーザへ配慮した行為

(スパム行為、チェーンメールの送信、詐欺行為、宣伝、勧誘、宗教的活動、誹謗中傷などの行為の禁止)

 

⑤サービスごとに特有の禁止事項

(マッチングサービスにおける直接取引行為の禁止など)

 

⑥自社が判断した事項の禁止

(「当社が不適切と判断した行為」など)

 

 

などがよくある例です。

サービスによって禁止したいことは違うでしょうから、

実情にあわせて選んでいきましょう。

 

 

 

■トラブルの責任は会社にあるの?

 

 

 リスク予防といいましたが、

そもそもウェブサービスを提供するにあたり、

「事業者の責任」はどこまであるのでしょうか?

 

 

いまいち予測がつきませんね。

 

 

そこで、利用規約で免責が規定されている必要があります。

 

 

免責というのは、

「自社の責任の範囲はここまでだよ」

とあらかじめ表明しておくことです。

 

  

たとえばユーザのデータを保存するサービスであれば、

その滅失や消失についてどこまで

(あるいは賠償額でいうといくらまで)責任を負うのか、

といったルールです。

 

 

原則としてはミス(過失)があったのならミスをした側が賠償する責任もある、

と考えられるのですが、

 

 

とはいえ一方でウェブサービスの場合はオンライン提供という性質上、

ひとつのミスが拡散しやすいわけですし、

結果として被害範囲も無尽蔵に広がりやすいという特徴があります。 

 

 

ゆえにある程度制限をつけておかないと、

万が一のミスやトラブルが起きてしまったとき、

責任が過大になります。

 

 

■その点、あのゲームはどう規定している?

 

 

ここも具体例を挙げたほうがわかりやすいと思うので、

有名な Pokémon GOポケモンゴー)というゲームの

サービス利用規約から、責任制限の規定をみてみましょう。

 

 

(引用しましたが、太字などの文字装飾は私が勝手につけたものです。)

----------------------------------------------------------------------

責任の限定

 

適用法令により許容される限度において、当社、TPC若しくはTPCI又は本サービス若しくはコンテンツの作成、製作若しくは提供に関与したその他の当事者のいずれも、(a)本規約に起因若しくは関連して、又は(b)本サービスの利用(若しくは利用できないこと)により、又は(c)本サービスの他のユーザー若しくはお客様が本サービスの利用に伴いコミュニケーション若しくは交流するその他の者とのコミュニケーション、交流若しくは会合により生じた、いかなる間接的損害、偶発的損害、特別損害、懲罰的損害賠償又は派生的損害(利益損失、データ若しくは業務上の信頼の喪失、サービスの中断、コンピューターへのダメージ若しくはシステム障害又は代替サービスのための費用を含みます。)についても、当該責任が保証、契約、不法行為(過失を含みます。)、製造物責任又はその他の法的根拠に基づくものであるかを問わず、また、当社、TPC若しくはTPCIが当該損害の可能性を知っていたか否かを問わず、たとえ本規約に定められた限定的な救済が、その本質的な目的を達成できなかったと判明したとしても、お客様に対して責任を負いません。

一部の法域では、派生的損害又は偶発的損害に対する責任の除外及び制限を認めていないため、上記の責任の制限が適用されるのは、該当する法域の法令によって許容される最大限までとします。

 

本規約に起因若しくは関連して、又は本サービス若しくはコンテンツの利用若しくは利用できないことにより生じる当社、TPC又はTPCIの責任の合計額は、いかなる場合においても1,000ドルを超えないものとします。上記の損害の除外及び限定は、お客様と当社の間の取引の基礎となる不可欠の要素です。

----------------------------------------------------------------------

 

いかがでしょう。

 

なるほど、

あらゆる種類の損害を列挙した上で、

それらにたいしていかなる責任をも負わないこと、

たとえ何らかの責任が生じたとしても、

その合計額は1000ドルを超えないということを、

明確にうたっていますよね。

 

 

「なにかあってもこっちのせいではないし、

賠償するとしても1000ドルを超えないよ」

という意味です。

 

 

ところで、

サービスのユーザが「一般消費者」の場合は、

事業者が消費者と締結するいわゆる「消費者契約」というカテゴリーになるため、

消費者契約法という法律が適用となります。

 

 

この法律によってどうなるのかというと、

長い説明をはぶいて「とても簡単に」いうと、

「消費者に不利な条項」は無効とされる場合があるのです。

 

 

消費者契約法8条~10条*1

 

 

そこで、もし利用規約の一部が無効とされた場合でも、

残りの規定の効力は生き残れるように、

いわゆる「分離可能性」と呼ばれる条項を付け足しておく必要があります。

 

 

先程のポケモンgoの責任制限の規約にも、

 

 

適用法令により許容される限度において、」

 

 

とか、

 

 

一部の法域では、派生的損害又は偶発的損害に対する責任の除外及び制限を認めていないため、上記の責任の制限が適用されるのは、該当する法域の法令によって許容される最大限までとします。」

 

 

とかいった上手な表現がありますよね。

抜かりなく規定するためのポイントです。

 

 

 

免責規定の他にも、リスク予防の観点でいうと、

損害賠償、準拠法や訴訟になった際の裁判管轄、

対応窓口や連絡先を決めておく必要がある他、

アカウント停止、退会などの処分規定が、

大切な材料といえるでしょう。

 

 

 

■わかりやすい利用規約にするには?

 

 

規約が読みづらく、わかりづらいと、

あまりフレンドリーでない印象を与えかねないし、

誤解を生じるとかえってトラブルのもとです。

 

 

そこで規約自体をわかりやすく、

誰が読んでも誤解のないように規定する工夫も必要です。

 

 

具体的には文言の読みやすさ、平易ないいまわしをつかう他、

用語の定義を明確にしたり、公式の連絡先を明記したり、

プライバシーポリシーなど他の規定の参照先を明らかにするなどといった配慮が望ましいと思います。

 

 

■規約の同意取得問題とは?

 

 

また、

利用規約はほとんどがウェブ上で表示されると思いますが、

ユーザがたしかにそれに同意しているかが大切なので、

同意取得のプロセスにも気を配る必要があります。

 

 

 

規約は掲載すればよいわけではなく、

両当事者の合意が契約法の原則だからです。

 

 

 

よって「理想」を言えば、

規約を全文表示してからのみ、同意ボタンをクリックできる

というしくみにしたいところです。

(=全文を読まないとクリックができない)

 

 

 

■でも、それって不便じゃない?

 

 

 

たしかに理想はそう、しかし、

そもそも規約を全部読むのはかなり大変。

 

 

せっかくサイトに来てくれたユーザに、

全文を表示させてからしか同意取得にならないとしたら、

かえって不便では?

 

 

たしかに。

ユーザビリティとしてはあまりよくありませんね。

 

 

それに事実上、

多くのサービス登録画面では、

まず利用規約へのリンクが貼ってあって、

その真下などに

 

 

「規約に同意して申し込みます」

 

 

みたいな意味の

「同意ボタン」が設置されています。

 

 

規約の内容はリンク先でいつでも確認ができるので、

ユーザビリティと同意取得をバランスした方法でしょう。

 

 

  

ところで、

法的にはこのやり方はどうなのでしょうか?

 

 

 

気になったので、経済産業省

電子商取引及び情報財取引等に関する準則」

(平成28年6月版)を調べてみましたところ、

次のような記述がみつかりました。

 (太字は私が勝手にほどこしたものです。)

 

 

----------------------------------------------------------------------------

ところで、インターネットを利用した電子商取引は今日では広く普及しており、ウェブサイトにサイト利用規約を掲載し、これに基づき取引の申込みを行わせる取引の仕組みは、少なくともインターネット利用者の間では相当程度認識が広まっていると考えられる。

 

したがって、取引の申込みに当たりサイト利用規約への同意クリックが要求されている場合は勿論、例えば取引の申込み画面(例えば、購入ボタンが表示される画面)にわかりやすくサイト利用規約へのリンクを設置するなど、当該取引がサイト利用規約に従い行われることを明瞭に告知しかつサイト利用規約を容易にアクセスできるように開示している場合には必ずしもサイト利用規約への同意クリックを要求する仕組みまでなくても、購入ボタンのクリック等により取引の申込みが行われることをもって、サイト利用規約の条件に従って取引を行う意思を認めることができる。

 

なお、例えばインターネット・オークションのように、契約関係がウェブサイトの利用者間で形成される場合であっても、サイト利用規約にウェブサイトの利用者間の契約条件が規定されており、かかるサイト利用規約がウェブサイト上に適切に開示され、かつ契約当事者双方がこれに従い契約することに同意していると認められる場合には、サイト利用規約中に規定されたウェブサイトの利用者間の契約条件がウェブサイトの利用者間の契約に組み入れられる。

----------------------------------------------------------------------------

(「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」平成28年6月版より)

 

 

 

なるほど、

これによると原則としては、

利用規約「リンクの設置」で対応してもOKのようですね。

 

 

 

ただし、間違えてほしくないのは、

規約が適用されるためにはやはり

 

 

利用規約があらかじめ利用者に対して適切に開示されていること

利用規約同意することが取引申込みの前提であることが適切に表示されていること

 

 

が必要という点です。

 

 

やはり規約自体が極端に見にくかったり、

そもそも規約に同意しなくても申し込めるかのようにみえる表現は、

問題があるでしょう。

 

 

 

利用規約はあとで変更できるの?

 

 

ほとんどのサイトサービスは、完成してから世に出すというよりは、

実際にローンチして動かしながら修正したり、

改善したりして成長していくイメージがありますよね。

 

 

利用規約も、

後で改定が必要になるのはよくあることです。

 

 

では、

ウェブサイトの利用規約ページを更新すれば、

それでなにも問題はないのでしょうか?

 

 

法的に考えると、

会社側が利用規約を変更したからといって、

それ以前に成立した契約に変更後の利用規約

自動的に適用となるわけではありません。

 

 

なぜなら最初の利用規約を見て同意したユーザは、

あくまでも最初の利用規約を見て同意しているユーザだからです。

 

 

つまり既存のユーザに、

あたらしい利用規約を適用するためには、

理論上はユーザとの契約を変更するプロセスが要るはずです。

 

 

つまりここでも同意が必要なのです。

 

 

とはいえ、

ウェブサイトを通じて頻繁に変更するサービスについて、

いちいちユーザの同意を得てからでないと提供できないとなると、

現実的な運用ができません。

 

 

じゃあどうすればいいのでしょうか?

 

 

最初からユーザを、

利用規約の変更の可能性について認識がある状態にしておけばよい、

と考えられます。

 

 

つまりユーザによる明示的な変更への同意がなくても、

事業者が利用規約の変更について利用者に十分に告知した上で、

変更の告知後も利用者が異議なくサイトの利用を継続していた場合は、

黙示的にサイト利用規約の変更への同意があったと考えるわけです。

 

 

なお

この利用規約の変更への「黙示の同意」という

ロジックが妥当するためには、

最低限、

 

 

利用規約にあらかじめ利用規約の変更がありうると書いてあること

・サイトへの掲載や変更履歴の保存といった適切な開示を行うこと

・変更が一般のユーザであれば当然同意するであろう内容であること

 

 

の3点をおさえておくことが望ましいと考えます。

規約の内容とともに、

サービス運用自体の質が問われるところですね。

 

 

■規約が増えすぎて混乱してきたら?

 

 

最後によくある事例として、

たくさんのウェブサービスを運営しているために、

利用規約が増えて混乱したり、

管理が手間になってしまうという現象についてです。

 

 

たとえばAというサービスとBというサービスがあって、

A利用規約、B利用規約、とつくっていくとなると、

やがてCDEF・・・となったとき

どんどん規約が増えてしまって大変だという話ですね。

 

 

規約が増えること自体は防げませんが、

おすすめの方法としては、

総則部分と個別部分を分けて規定するということです。

 

 

つまり、2階建てにするのです。

 

 

たとえば利用規約に同意してから利用してください、

とかいう部分は、どんな利用規約でも一緒のはずですから、

まずはそこをまとめてしまいます。

 

 

次に、Aサービスならではの内容、

各種の固有名詞だとか、課金方法だとか、

オリジナルの禁止事項だとかいった部分については、

個別の規約にまとめます。

 

ユーザへの掲出は、利用規約サイトマップのようになります。

たとえば、

Yahoo!利用規約の画面をみてください。

 

 

Yahoo!利用規約のページから章立てを抜き取ってみました)

-----------------------------------------------------

第1編 基本ガイドライン
 第1章総則
 第2章プライバシーポリシー
 第3章コミュニティーサービスに関する規則(ガイドライン
 第4章Yahoo!ウォレットに関する規則(ガイドライン
 第5章ソフトウエアに関する規則(ガイドライン


第2編 個別サービスガイドライン
 第6章Yahoo!メールガイドライン
 第7章Yahoo!ジオシティーズガイドライン
 第8章ヤフオク!ガイドライン

 ・・・
 ------------------------------------------------------------

 

いかがでしょうか?

まず基本ガイドラインと個別サービスガイドラインという、

2階建てにわかれていますよね。

 

 

しかも個別の規約に飛んでみると、

その個別の規約ページの冒頭には、

こんな表記があります。

 

 

(メールガイドラインの冒頭部分の記載。例によって文字装飾は勝手に加えました。)

-------------------------------------------------------

Yahoo!メールガイドラインは、Yahoo! JAPAN利用規約の一部です。 Yahoo!メールのご利用に際しては、利用規約第1編基本ガイドラインに加えて、Yahoo!メールガイドラインが適用されます。

--------------------------------------------------------------

 

つまり、規約の根っことしての基本ガイドラインとともに、

この個別のガイドラインが適用される、

ということが明らかになります。

 

 

非常にわかりやすいですね。

これなら提供側にとっても管理が楽なのではないでしょうか。

 

 

 

■ひな形活用の手順とポイント

 

 

いかがでしたか?

 

利用規約も、参考になるひな形はできれば複数あつめて、

自社オリジナルの規約に仕上げていくことが大切です。

 

参考になるものが集まったら、

手順としては、

 

①まずは、ワードなどにコピー&ペーストします

 

②内容をよく読み、自社(自分)にとっての権利が

もれなく書かれているかどうか確認します。

 

③同様に、ユーザの義務がもれなく書かれているかどうか確認します。

 

加除修正を加えたら、

条文番号などがずれていないかも、

再度確認しましょう。

 

もし気になる点があれば、

添削サービスも行っていますので、

ご利用ください。

 

 

最適な契約書/利用規約等で、かっこよく、

安心してビジネスをすすめたいですね!

 

 

 

 

 

*1:

 第二節 消費者契約の条項の無効

(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)
第八条  次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
一  事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項
二  事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項
三  消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定による責任の全部を免除する条項
四  消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定による責任の一部を免除する条項
五  消費者契約が有償契約である場合において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるとき(当該消費者契約が請負契約である場合には、当該消費者契約の仕事の目的物に瑕疵があるとき。次項において同じ。)に、当該瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項
2  前項第五号に掲げる条項については、次に掲げる場合に該当するときは、同項の規定は、適用しない。
一  当該消費者契約において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該事業者が瑕疵のない物をもってこれに代える責任又は当該瑕疵を修補する責任を負うこととされている場合
二  当該消費者と当該事業者の委託を受けた他の事業者との間の契約又は当該事業者と他の事業者との間の当該消費者のためにする契約で、当該消費者契約の締結に先立って又はこれと同時に締結されたものにおいて、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該他の事業者が、当該瑕疵により当該消費者に生じた損害を賠償する責任の全部若しくは一部を負い、瑕疵のない物をもってこれに代える責任を負い、又は当該瑕疵を修補する責任を負うこととされている場合
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
第九条  次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一  当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
二  当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が二以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分
(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条  民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。