知ってました? 契約書のタイトルは自由に決められる
■タイトルは自由に決めていい
契約書のタイトルは、
自分で自由に決めていいということを、
私は行政書士になってから知りました。
「契約書」でもいいし、
もっと長いものや凝ったものにしてもいいのです。
(もちろん契約内容に合っていないとなにかと不都合がありますが。)
地味な知識ですけど、
こだわってつけたタイトルは
かっこよくみえるものですね。
■タイトルはどうやって考えるのか?
とはいえタイトルですから、
少しは内容を反映させたものにしたいところです。
よくあるパターンは、
「○○に関する契約書」
というタイトル。
あなたがウェブサイトをつくってあげるサービスをやっているなら、
「オリジナルサイト制作サービスに関する契約書」
みたいにします。
■契約書か、約款か、覚書か
ときどき、
「約款」とすべきか、
「契約書」とすべきか、
「覚書」とすべきか、・・・
などと悩む方もいらっしゃいます。
約款といった場合は、
たとえばサイト利用規約のように、
事業者が多数の利用者に向けて一方的に発表する内容の
契約という意味で名付けます。
いちいち交渉して個別に契約するわけではなくて、
一体多数のルールですね。
契約書と覚書は、
こうした区別はありませんので、
どちらをつかってもいいのです。
ただ、覚書のほうがなんとなく
ライトなイメージがあるようで、
ボリュームの少ない契約書や、
なにかの契約書に付帯して取り決めをする、
あるいは補足的に約束する、といったニュアンスで
つかわれます。
■前文は書くべきか?
契約書の、
タイトルから第一条の書き出しのまえに、
数行の前文がついていることが多いですね。
ここには、
だれとだれが、
どういう内容の約束をしたのか、
ということが簡潔に書かれています。
それと、
「・・・それを証するために、
以下のように契約した」
とかですね。
ようするに当事者がだれで、
目的の商品がなにであるか、
契約全体が前文でみわたせるようになっています。
契約の解釈に影響を与えるところなので、
ここはぜひ間違えずに、手を抜かずに、
それでいて簡潔に書いておきたいところ。
■前文はどう書いたらいいのか?
意外と前文も、
契約書作成者のセンスがあらわれやすい部分です。
シンプルなパターンとしては、
「○○を甲とし、
○○を乙とし、
本日、
甲と乙とは、
甲乙間における○○製品の売買取引に関し、
その基本的権利、義務、責任につき、
以下の通り契約する。」
という形です。
ここに、その取引に至った経緯なども書き添えると
なんとなく契約がオリジナリティをおびて、
読みやすくなります。
■よりかっこいい前文の書き方
たとえば、
ライセンス契約なんかの場合で、
「ライセンサーは○○の装置の
開発に従事しており、
ライセンシーは○○の改造工事を
専門としてきた。
今般ライセンサーは○○の技術開発に成功し、
同技術を他社に許諾できる立場にあるところ、
ライセンシーは、
○○のライセンスをライセンサーから
取得したいと望んだので、
ライセンサーは本日、
本契約の条件にしたがい、
ライセンシーに対し
同技術のライセンスを
与えることに同意した。」
のような書き方ですね。
こうすると、
取引の背景がイメージできて、
契約書が美しく明確になる気がします。
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