契約書業務マニュアル

平成15年から契約書だけをつくり続けてきた契約書専門の行政書士

知ってました? 契約書のタイトルは自由に決められる

 

 

■タイトルは自由に決めていい

 

契約書のタイトルは、

自分で自由に決めていいということを、

私は行政書士になってから知りました。

 

 

「契約書」でもいいし、

もっと長いものや凝ったものにしてもいいのです。

(もちろん契約内容に合っていないとなにかと不都合がありますが。)

 

 

地味な知識ですけど、

こだわってつけたタイトルは

かっこよくみえるものですね。

 

 

 

■タイトルはどうやって考えるのか?

 

 

とはいえタイトルですから、

少しは内容を反映させたものにしたいところです。

 

よくあるパターンは、

 

「○○に関する契約書」

 

というタイトル。

 

 

あなたがウェブサイトをつくってあげるサービスをやっているなら、

「オリジナルサイト制作サービスに関する契約書」

みたいにします。

 

■契約書か、約款か、覚書か

 

 

ときどき、

 

 

「約款」とすべきか、

 

「契約書」とすべきか、

 

「覚書」とすべきか、・・・

 

 

などと悩む方もいらっしゃいます。

約款といった場合は、

たとえばサイト利用規約のように、

 事業者が多数の利用者に向けて一方的に発表する内容の

契約という意味で名付けます。

 

いちいち交渉して個別に契約するわけではなくて、

一体多数のルールですね。

 

 

契約書と覚書は、

こうした区別はありませんので、

どちらをつかってもいいのです。

 

ただ、覚書のほうがなんとなく

ライトなイメージがあるようで、

ボリュームの少ない契約書や、

なにかの契約書に付帯して取り決めをする、

あるいは補足的に約束する、といったニュアンスで

つかわれます。

 

 

■前文は書くべきか?

 

契約書の、

タイトルから第一条の書き出しのまえに、

数行の前文がついていることが多いですね。

 

ここには、

 

だれとだれが、

どういう内容の約束をしたのか、


ということが簡潔に書かれています。

それと、

 

「・・・それを証するために、

以下のように契約した」

 

とかですね。

 

 

 

ようするに当事者がだれで、
目的の商品がなにであるか、

契約全体が前文でみわたせるようになっています。

 

契約の解釈に影響を与えるところなので、

ここはぜひ間違えずに、手を抜かずに、

それでいて簡潔に書いておきたいところ。

 

 

■前文はどう書いたらいいのか?

 

 

意外と前文も、

契約書作成者のセンスがあらわれやすい部分です。

 

シンプルなパターンとしては、

 

 

「○○を甲とし、
○○を乙とし、
本日、
甲と乙とは、
甲乙間における○○製品の売買取引に関し、
その基本的権利、義務、責任につき、
以下の通り契約する。」

 


という形です。

 


ここに、その取引に至った経緯なども書き添えると

なんとなく契約がオリジナリティをおびて、

読みやすくなります。

 

■よりかっこいい前文の書き方

 

 

たとえば、

ライセンス契約なんかの場合で、

 

 

「ライセンサーは○○の装置の
開発に従事しており、
ライセンシーは○○の改造工事を
専門としてきた。


今般ライセンサーは○○の技術開発に成功し、
同技術を他社に許諾できる立場にあるところ、
ライセンシーは、
○○のライセンスをライセンサーから
取得したいと望んだので、

 

ライセンサーは本日、

本契約の条件にしたがい、
ライセンシーに対し
同技術のライセンスを
与えることに同意した。」

 


のような書き方ですね。

 

こうすると、

取引の背景がイメージできて、

契約書が美しく明確になる気がします。

 

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