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わかる! 使える! 契約書の基本

契約書は経営、起業・独立、副業に必須のスキルです! 自分で契約書がつくれると楽しいですよ

90日後の支払は問題か?

契約書のつくりかたとルール
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仕事を発注するものにとっては、 支払は遅ければ遅いほど 助かるものである。

逆に、 仕事を引き受ける側にとっては、 支払は早ければ早いほど ありがたいものである。

月末に支払われるのと、 月初に支払われるのとでは、 わずかに1日の差ではあるが、 受注者にとっては死活問題であり、 その影響力は天と地の差がある。

下請法は一定の業務委託契約に 関係する法律だから、 業務を「発注」する場面では、 常に意識される必要がある。

具体的に どういった取引に、 下請法が適用されるかを検討してきたが、 では、 適用されたらどうなるのか?

というと、 親事業者に、 義務と禁止行為が定められているため、 これに従う必要がでてくる。

ようするに親事業者には いろいろと守らなければならない事項が でてくるよということである。

下請取引にあたって、 親事業者は、

次のような義務を負うと定められている。

①書面の交付義務(3条) → 取引内容に関する具体的記載事項を全て記載した書面を交付しなければならない。

②下請代金の支払期日を定める義務(2条の2) → この期日は、納品日から60日以内で、かつできるだけ短い期間内。

③書類の作成・保存義務(5条) → 取引記録を作成し、2年間保存。

④遅延利息の支払い義務(4条の2) → 年14.6%の割合による遅延利息。


昨日は書面の交付義務についてみていったので、 今日は下請代金の支払期日を定める義務について。

ルール自体は簡単で、 親事業者は、 物品を受け取った日から、 60日以内のできるだけ短い期間内に、 代金の支払期日を決めておかないとだめだということ。

役務提供の場合は、 その提供を受けた日から起算する。

ようするに、 支払日が不当に遅くならないように、 きめられたルールである。

ルールであるから、 仮に当事者間が合意していたとしても、 これよりも遅い支払期日を 決めることはできない。

また、 親事業者が納入された物品を、 検査するかどうかにかかわず決まっていることなので、 検査していないからという理由で、 (受領とは認識していないとかいう理由で) 引き延ばすこともできない。

これは、 規定上はとてもシンプルで、 ようは受領から60日以内の期日を決めればよく、 発注書や契約書でそのように定めて、 また実際にその期間内に支払っていれば問題は無い。

言うのは簡単なのであるが、 実際にはこれが結構むずかしい。

たとえば、 相手の了解を得て、 合意の上で代金支払期日を90日後に設定したり、

あるいは 委託した商品が 親事業者のもとに運ばれてきたのだけれども、 その時点では納入完了とせずに、 実際にそれらが売れてはじめて、 受領したことにしよう、 などと考え、 そのような取り決めを 当事者間で契約によって定めたとする。

はたして、 これはOKだろうか?

当事者が納得しているのだから、 それでいいではないか、

と思うかもしれないが、 下請法が適用される取引、

(つまり、 親事業者と下請事業者との間の 一定の委託取引)

の場合は、 そう簡単に判断できないのだ。

そもそも上記のような取り決めでは、 理論上の納期がいつになるかはっきりしないから、 3条書面の記載事項を満たさないであろうし、

支払期日も、 実際の商品の受領の日から起算せずに、 お客さんに売れてからはじめて受領したことになるという ルールにすると、 支払は受領から60日後の日を 超えてしまうこともあり得る。

よって、 支払期日を定める義務に 違反していることになってしまう。

支払期日は、 あくまでも現実の納品から 60日以内に定めなければならない。