契約書業務マニュアル

平成15年から契約書だけをつくり続けてきた契約書専門の行政書士

簡単な契約書の作り方

契約書をつくるときは、 ひな形(サンプル)を探す事になると思う。

最近はネットで検索すれば すぐにみつかるし、 あらかじめデータになっているので、 便利である。

ひな形をいくつかみつけたら、 ワードなどの文書作成ソフトにはりつけて、 実際に自社のケースに合う内容に、 書き換えていく。

このとき、 先にメモ帳などのテキストエディタに貼付け、 それをコピーし、 その後ワード等に再度貼りつけると フォントなどがばらけずに便利だ。

さて書き変え作業であるが、 この手間を惜しむと、 どこかで 自社の取引には関係の無い項目が まぎれこんでしまう。

ようするに約束した覚えの無いことが いつのまにか契約になってしまうおそれがあるので、 充分に注意したい。

具体的にどのような点に注意すべきかは、 僕のホームページにチェックリストをおいているので、 参考にしていただきたい。

ところで、 契約書のひな型を、 そのようにしてカスタマイズするときは、 いくつかのコツがある。

小さなことだけれど、 僕が一番気に入っているのは、 一括変換とか置換とか呼ばれる機能だ。

ショートカットキーは 微妙にちがうのだろうけれど、 「 Ctrl + H 」とかだと思う。

これでたとえば、 ひな形では「甲は」となっているのを、 すべて、「発注者は」と変換してくれたりする。 これは非常に便利だ。

なので、 ひな形を使うときは、 最初にこのような変換が必要なところをみつけておいて、 先に置換処理をすませてしまう。

それからいらない条項があれば、 削除していけばよい。

いらない条項を削除したり、 逆に必要な条項を追加したりすると、 当然、もとのひな形の条文番号が、 順番がかみ合わなくなってくる。

つまり、 1 2 3 4

となっているべきところ、

1 3 4 5

とか

1 3 3 4 5

となったりする。

意外と見抜きにくいことがお分かりだと思う。

目の錯覚というか、 脳が都合よく読ませてしまうのだ。

契約書に置いては、 このような間違いは 混乱のもとだからできるだけなくしたい。

が、 チェックしにくいものだ。

そこで、 いい方法がある。

ワードの機能で数字だけを選択しておいて、 選択した数字にマーカーをつけると、 数字だけが目立って表示される。

あとは数えていけばいいし、 この方法をつかえば、条文中の数字もチェックできる。

たとえば、

「○○に関しては第25条の規定を準用する」

という表現があった場合に、 この、第25条という条文番号が、 ズレている可能性があるのだ。

これを見抜くのは至難のわざであるので、 やはりマーカー方式で確認する。

数字のみにマーカーをいれてから一度プリントアウトし、 目視で確認したらペンでチェックを入れていくのだ。

これをやってOKだったら、 再度画面上で確認する。

プリントアウトして読むのと、 画面で読むのとで、 何が違うのかは、 うまく言葉で表現できないし、 正直何も違いはないはずなのだけれど、 不思議なことに両方をやることでミスを発見したことが何度もあるのだ。

いつか必要になったときは、 この方法を思いだしていただきたい。 必ず役に立つはずだ。