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賞味期限と、契約期間の憂鬱

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僕は
けっこう賞味期限が気になるほうで、
買った食材のラベルはよく確認している。

当然、
期限切れになりそうな食材は、
はやめに食べてしまうほうである。

だが
気をつけているにもかかわらず、
たまに期限が2日くらい過ぎてしまうときがある。

そんなときは冷蔵庫の前でしばらく悩んでしまう。

1日ならまず間違いなく食べる、
2日でもまあ許せる、しかし・・・
などと、いつまでも悩んで、


悩んでいるうちに冷蔵庫の前で
3日くらいたたずんでいられそうである。


さて、契約期間である。

契約期間というのは、
ぱっと見は簡単そうであるが、
実は悩む方も多い部分である。

文字通り、
「契約」の「期間」という意味だから、
言葉の上での理解は簡単そうだ。

契約期間の条項といえば、
普通はその契約の有効期間をあらわす。

何が問題になるだろうか?


そもそも契約とはなんらかの約束のことである。

約束に「有効期間」があるというのは、
あまり自然にはでてこない発想な気もする。


もちろん、
食材の賞味期限みたいに、
いつまでになにかをせよ、
という具合に、
約束事に締切を設けることはよくある。

しかしこれは通常、
期限」と呼ばれ、
契約の有効期間とはすこしだけちがう概念だ。

期限は、
それはそれで重要なカテゴリーだけれど、
今は有効期間の話にもどろう。

そもそも、
約束に有効期間なんてものがあるべきだろうか?

寿命の心配をして生きる若者が少ないように、
当事者というのは、いちいち

「いつまで有効な約束にしようかな」

なあんてことは
考えないもんである。

それにそもそも、
一回の用事で済んでしまう内容の契約では、
有効期間の概念が必要ないことがある。

たとえば
この世にひとつしかないもの、
特定のもの、
たとえば絵画かなんかでもいいが、
そういうのを譲ってもらうという内容の契約であれば、
一回果たせばそれで約束の全てが完了してしまう。

だから期限さえ決めておけば足りるわけだ。


しかし、
この絵画の譲渡に関する契約に、
他の条件、
たとえば秘密保持の約束だとか、
支払の分割だとか、
そういう約束がくっついていた場合はどうだろう?


この場合は、
絵画の受け渡しが終わったからと言っても、
それで契約自体が終了してしまうと、
非常に困るのである。

このように、
何らかの継続的な関係が必要になる契約では、
契約自体の効力も、
一定期間継続しなければならないし、
そのことを明確にしておかないと、
絵画をもらう側が不利になる。

ほかにも、
たとえばコンサルティングを一定期間提供する、
というような契約であれば、
その期間が3ヶ月間なのか、
1年間なのかで、
コンサルティングを提供する側としては、
準備もちがうだろうし、
見込みというものがあるだろう。

つまり契約の継続性への期待というものが、
どうしても発生する。

その期待が相手方とすれ違わないように、
やはり明確にしておくべきだろう。

こうした、当事者の利益を守るとか、
期待や予測可能性の都合と言う点のほかに、
また、少し法律的な観点からもふれておくと、

継続的契約で期間の決められていない契約は、
どちらかが催告すれば一方的に契約を終わらせてしまうことが
できると考えられる(可能性がある)。

つまり、
はっきりそうだとは書いてなくても、
(積極的に認めていないだけであって)
期間の定めがないからには、
解約権が常に双方にあるのと同じ
と解釈されかねないのだ。

多くのビジネス取引では、
継続的取引関係を期待して行うことが多いのであって、
そうなるとやはり
有効期間という条項が
契約書に登場することとなる。

ところで、
契約期間は具体的に
どれくらいの期間(年数など)が正しいのだろう?

これは一般的な正解が
用意されているわけではない。

ちょっとわがままだけど、
長い方がいい気もするが、
終了のタイミングがつかめないのも困る。

そこで
やはり多いパターンとしては、
自動更新がある。

契約期間が終了しても、
自動的に一定期間契約が有効とされる定めである。

たとえば

「本契約の有効期間は、
本契約締結の日から○年間とする。
ただし、期間満了の○ヶ月前までに甲または乙から
書面による解約の申し出がないときは、
本契約と同一条件でさらに○年間更新するものとし、
以後も同様とする。」


といったものだ。

自動更新にもデメリットはあるが、
実際には、非常によく使われるテクニックといえるだろう。