契約書業務マニュアル

平成15年から契約書だけをつくり続けてきた契約書専門の行政書士

素早く法律をリサーチするコツ

契約書にタッチするようになれば、
自然と、法律に関する
調べ物をする必要が
でてくると思う。

現在は
インターネットでおびただしい情報が公開されているし、
便利だけれど、
それゆえときどき、

ネットで調べたらこうだったから、
これでいいでしょう?

というような質問のいただくので、
すこしコツを説明したい。

素早く法律をリサーチするコツとしては、
まずかならず複数の情報源をもつことを
こころがけたい。

サイトからの情報なら、
ひとつのトピックに関して、
複数のサイトを読む。

説明が難しすぎたり、
逆にやさしすぎたりして、
ただしく理解できないこともあるし、
法律は改正されていることもある。

あらたな条文が付け加えられたり、
ルールが廃止されたりする。
必ず複数の情報源を持つことを心がけたい。

次に、
ちょっと条文を参照しておきたい程度であれば、
ネットでみればことたりるが、
やはり重要なトピックだと感じたら、
専門書を取り寄せてよんでおかれたい。

専門書は、
わかりやすさよりは高度なその道の知識を
まとめるものなので、読みづらいことが多い。

また、
期待していることが結局書かれていなかったりして、
がっかりすることもよくある。

しかし、
これは無駄ではない。
周辺的な知識が手に入るし、
一見無駄に思えることがらも、
実は自分がそう決めつけているだけで、
その分野では重要で有益な情報だったりする。

だから後になって、
読んでおいてよかったということが
よくある。

まわり道だと思っていたが、
後になると結果的に理解が早まり、
近道だったということもある。

ぜひ法律の逐条解説や、
その分野の権威がかかれたような本を、
これも複数読むのがいい。

この際、
自分には難しすぎるかなというものも、
一応買っておくと、上記のような理由で役に立つ。

極端にいえば、
読んでも一行しか理解できなかったというような本が、
文字が大きくてイラストもあるような本より、
最終的には役に立ったりするものだ。


それと、もうひとつこころがけていることは
法律条文を読む際は、
「目的」を必ず読むこと。

法律を参照する場合、つい、
直接調べたい条文から読んでしまいがちだが、
必ずその法律のいちばん最初に書かれる、
「目的」や「定義」だけは読んでおく。

これを読むと読まないとで、
後になってからの理解のスピードが違う。

そこで
普段法律を読まれない方のために、
法律条文のフロアガイドを記しておく。

法律の条文はだいたいこのような構成をとる。

総則・・・ 目的や趣旨など。以下につづく条項の目次のような役割も果たしている。
規定・・・ その法律の実体的規定。
雑則・・・ 上記の規定に関連する、付属する規定
罰則・・・ 罰則がある場合、最後の方におかれる


また、
法律の名前の事を、専門的には「題名」と呼ぶ。
これはいわゆる正式名称だが、
普通は「略称」の方が有名になるし、
みじかくて呼びやすいので、
たいていは「略称」で呼ばれている。

たとえば

情報公開法(略称)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律(題名)

のようなことだ。


それから法律には日付のような番号がふってある。

これはその年に公布された順番に、
番号がふられるためで、
法律も誕生日で特定されるのだとイメージするといいかもしれない。

「平成○○年法律第○○号」
のようなかんじだ。


契約書中でもし、
特定の法律に従うと規定するときは、
略称でもいいが、
題名や法律番号をそえてやると、
特定がいっそう具体的になるので
おすすめである。