契約書業務マニュアル

平成15年から契約書だけをつくり続けてきた契約書専門の行政書士

では、どんな契約をすべきか?

意思主義で成立する契約であるが、
では、
どんな契約をするべきなのだろうか?

民法にも典型契約が定められているけれど、
実は必ずしも、
民法で決められた通りの契約をしなければいけないわけではない。

これを「契約自由の原則」というが、
誰と、どのような内容、
形式で契約を結ぶか(結ばないか)は、基本的に自由ということである。

民法第91条
「法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意
思を表示したときは、その意思に従う。」

などにも、
その根拠をみつけることができる。

もちろんこの原則には例外がある。

契約に一定の適法性が求められないと、
たんなる無秩序な社会になってしまうからだ。

これを少し法律的に考えれば、
公序良俗違反や
強行規定に違反した契約は無効である、
などというロジックになる。

つまり原則として
契約の取り決め方は自由であり、
法令に規定のあるルールも
任意規定の範囲内であれば自由に当事者が決めてよい。

が、
強行規定(強行法規)といわれる法令には
従わなければならない。

たとえ当事者が合意の上で契約していても無効だ、
ということだ。

ここでいう強行規定(強行法規)とは、
法令の規定のうちで、
それに反する当事者間の合意の如何を問わずに適用される規定のこと。

 契約などによって変更することが認められている規定であるところの
任意規定(任意法規)」と対になる。

何が強行規定かは、
条文から明らかな場合もあるし、
判例の積み上げから強行規定とされていることもある。

さて重要なことは、
ある契約が有効か無効かは、
条文などから明らかな場合もあれば、
法律家のあいだでも解釈がわかれたりして微妙なのもあるよ、
ということだ。


ビジネスの現場は教科書通りにはいかないものである。

最終的には最高裁で争われて、
「一般常識」では考えられないから、
などといった理由をつけて無効とされる契約もある。

たとえば
工事の下請け業者が、
孫請け業者に
仕事を依頼する際、

親会社から下請け業者に代金が支払われたら、
下請業者から孫請け業者に支払う、
という契約があったとする。

この合意が有効であるとすれば、

親会社が倒産するなどして、
下請けに支払がなかったとき、

孫請けは引き受けた仕事の代金を
請求できなくなるのだろうか?


A社  ⇒ ¥ B社  ⇒ ¥ C社  (^▽^)


A社 × ⇒ B社      C社  Σ(゜Д゜;)


といったような問題があるのだ。