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コンビニの深夜営業とかを命じるのは違法なのか? おもしろい判例2

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前回の続き。

事前に、まえもって契約内容を説明しておくことって本当に大事ですね。


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(2) 本件深夜営業に係る差止請求(前記第1の2及び3)について

ア 原告らの主張
(ア) 被告は,自らの取引上の地位が加盟者である原告らに優越しているこ
とを利用して,本件基本契約等を変更して本件深夜営業を中止したい旨
の原告らの申入れを不当に拒絶し,原告らに対し,売上げの少ない本件
深夜営業を行うことを強要し,深夜労働の負担や強盗被害の危険という
不利益を与えている。被告の上記行為は,独占禁止法2条9項5号ハの
定める「不公正な取引方法(優越的地位の濫用)」に該当するというべ
きである。

(イ) 原告らは,被告の前記(ア)の行為によって前記(ア)の不利益を受け,著
しい損害を被るおそれがあるから,独占禁止法24条に基づき,被告に
対して本件深夜営業の強要停止及び本件条項の削除を求める差止請求権
を有する。

イ 被告の主張

(ア) 独占禁止法2条9項5号ハ該当性に関する原告らの主張は争う。
原告らは,被告からの説明や研修等によって,本件フランチャイズ・
チェーンに加盟した後は,本件深夜営業を行うことになることを認識し
た上で,本件付属契約を締結したものであり,本件深夜営業の義務があ
ることは本件条項に明記されていた。また,本件深夜営業を中止した場
合には,深夜に行っている発注,清掃,店舗設備の点検等の業務を日中
に行う必要が生ずるほか,店舗外の看板等の設備の撤収,閉店中に販売
期限を迎えるデイリー商品やファストフードの廃棄等の新たな業務も発
生し,営業時間短縮に伴う客離れも引き起こす。その一方で,近時,コ
ンビニエンス・ストアにおける強盗の発生件数は減少しており,被告に
おいても,強盗の予防策や被害防止措置等を講じているから,本件深夜
営業は,原告らが主張するような不利益をもたらすものではない。した
がって,独占禁止法2条9項5号ハ該当性に関する原告らの主張は,失
当である。

(イ) 独占禁止法24条所定の差止要件の充足に関する原告らの主張は争う。
本件深夜営業は,前記(ア)のとおり,原告らの利益を侵害したり,著
しい損害をもたらしたりするものではない。

第3 当裁判所の判断

1 前記第2の2の前提事実,後掲各証拠,証拠(甲52~59,63~68
(枝番を含む。),76,乙9~19(枝番を含む。),証人l,証人m,原
告h本人,原告f本人)及び弁論の全趣旨を総合すると,次の事実が認められ
る。

(1) 当事者
ア 被告は,本件フランチャイズ・チェーンの運営等を行う株式会社であり,
昭和49年5月に都内で第1号店舗を開設したのを皮切りに,店舗網を広
げ,平成21年2月末には,全国37都道府県に1万2298店舗(加盟
店1万1584店と直営店714店の合計数)を擁するに至った。上記時
点における上記店舗の年間売上高は,2兆7625億5700万円(加盟
店2兆6215億6700万円と直営店1409億9000万円の合計
額)であり,被告の営業収益は,5407億7300万円(このうち加盟
店からの収入は3948億6300万円)であった。(乙3,4の1・2)

イ 原告らは,平成8年8月以降に被告との間で本件基本契約等を締結し,
本件各店舗の経営を開始した加盟者である。原告らの年間売上高は,いず
れも数億円程度であり,本件各店舗で販売する商品の大部分を被告から仕
入れている。(甲2の1・2,7の1~6,15,42,原告f本人)

(2) 本件基本契約等の内容
ア 本件基本契約等は,本件フランチャイズ・チェーンの加盟店を経営しよ
うとする者が被告との間で必ず締結しなければならない統一的内容を有す
る基本契約である。本件基本契約には,加盟者が自ら用意した店舗の経営
を行う「Aタイプ」と称する形態と,被告が用意した店舗の経営を行う
「Cタイプ」と称する形態とがあるが,後記イ及びウの契約内容は,基本
的に上記各タイプにおいて共通している。(甲2の1・2,15)
イ 本件基本契約では,被告の許諾する権利,研修,商品の仕入れ,チャー
ジの支払等について,次のように定められている。(甲2の1・2,15)

(ア) 加盟の趣旨
被告は,加盟者に対し,本件フランチャイズ・チェーンの加盟店を経
営することを許諾し,かつ,継続的に経営指導,技術援助等を行う。他
方,加盟者は,被告に対し,加盟店経営の対価としてチャージを支払う。

(イ) 加盟者の立場
加盟者と被告は,それぞれ独立の事業者である。加盟者は,その判断
により必要な従業員を雇用するなど,使用者としての権利を有し,義務
を負う。加盟者は,営業費として従業員の給料を負担する。

(ウ) 許諾する権利
加盟者は,被告から,本件フランチャイズ・チェーンの加盟店の経営
ノウハウ及び各種機密情報の提供を受け,被告が本件各店舗内に本件シ
ステムに基づいて設置した設備や「a」の商標,サービスマーク,意匠
等を使用する権利を付与される。

本件システムとは,被告が有するコンビニエンス・ストア事業のため
の経営ノウハウを総合し,組織化したシステムをいい,上記経営ノウハ
ウの範囲は,①店舗仕様・内外装・デザイン,②店内営業設備,③商品
構成(種類,銘柄,型,サイズ,外観,鮮度,在庫日数,品質及び数量
とバランス)と品ぞろえの手法,④店内レイアウト,商品陳列,⑤統一
的イメージを保持するための標準化された仕入れ及び販売促進方法,⑥
店舗,設備,商品の管理システム,⑦会計システム,経営の計数管理と
分析並びに⑧加盟店の統一的・総合的管理システムに基づく販売連携に
わたる。

加盟者は,加盟店が一定の仕様による共通した独特の店舗の構造・形
状・配色・内外装・デザイン,店内レイアウト,商品陳列,サービスマ
ーク,看板等の外観,商品の鮮度など品質の良さ,品 ぞろえ,清潔さ,
ユニフォーム,接客方法,便利さなど際立った特色を有し,独特の印象
として定着し,広く認識され,親しまれており,このイメージ(以下
「本件イメージ」という。)が加盟店の信用を支えていることを確認した。

(エ) 許諾の範囲
加盟者は,本件システムに違反する仕入れ,販売その他の営業を行わ
ず,本件イメージを変更し,又はその信用を低下させる行為をしない。

(オ) 研修
加盟者は,加盟店の経営資格を取得するため,被告の実施する校内研
修及び訓練店研修を受けなければならない。校内研修においては,加盟
店経営の仕組みと方法,商品知識とその管理方法,店内配置,仕入れ・
販売の方法,店舗管理及び被告の援助サービス等の内容,加盟店経営の
ための各種記録,報告書類の作成,各種帳票システムとその機能に関す
る研修が行われ,訓練店研修においては,加盟店経営の実情把握,実際
の記録・報告書類の作成作業等に関する研修が行われる。

(カ) 開業準備手数料等
加盟者は,被告に対し,前記(オ)の研修費用として50万円(税別),
開業準備手数料としてAタイプの場合は100万円(税別),Cタイプ
の場合は50万円(税別)を支払う。また,加盟者は,開業当初の販売
のための商品,つり銭用現金,什器・備品・消耗品の代金,被告に差し
入れる加盟保証金50万円を賄うために少なくとも150万円を自己資
金として調達する。

(キ) 販売促進・仕入協力
被告は,加盟店の仕入れを援助するため,信用ある仕入先及び仕入品
の推薦をし,加盟者の発注の簡易化,仕入れの効率化を図るための発注
システムを提供する。もっとも,加盟者は,被告の推薦した仕入先から
必ず商品を仕入れる必要はなく,また,被告の推薦した商品のみを仕入
れる必要もない。

(ク) チャージ
加盟者は,被告に対し,加盟店経営に関する対価として,各会計期間
ごとに,その末日に,売上総利益(売上高から売上商品原価を差し引い
たもの。)に対して付属明細書所定の率(以下「チャージ率」という。
ただし,チャージ率はAタイプとCタイプとで異なる。)を乗じた額を
支払う。

(ケ) 契約終了
契約期間は15年間とし,加盟者と被告との間で,期間満了までに期
限の延長又は契約更新について合意することができなければ,契約は終
了する。Aタイプの加盟者については,契約終了後少なくとも1年間は,
コンビニエンス・ストア営業を行うことができず,Cタイプの加盟者に
ついては,契約終了後直ちに被告に店舗を返還する。
ウ 本件基本契約では,営業時間について,「加盟者は,加盟店の経営につ
いて,被告の指導,助言に従い,情報を活用し,販売促進に努め,店舗,
設備,在庫品の管理を適切に行い,消費者の期待に応えるため,本件基本
契約の定めるところにより,全期間を通じ,年中無休で,連日少なくとも
午前7時から午後11時まで,開店し,営業を行うものとする。」旨の規
定があるが,本件付属契約において,上記規定に第2項として,本件条項
を追加するものとされている。(甲2の1・2,15)

(3) 被告における収納代行サービス等に係る事業展開の経緯
ア 被告は,昭和62年10月に公共料金等の収納代行サービス(別紙サー
ビス目録①のサービス)を行う事業に乗り出し,その手始めに電気料金の
収納代行業務の取扱いを開始した。被告における収納代行サービスの対象
は,昭和63年にはガス料金,平成元年には保険料やn受信料,平成3年
には電話料金,平成4年には水道料金,平成6年には携帯電話料金や割賦
販売代金,平成7年には通信販売代金に広がり,この間,その委託元も増
加していった。また,被告は,遅くとも平成8年までには,宅配便受付サ
ービス(同目録⑬のサービス)を開始した。

平成8年2月末には,被告に対して収納代行サービスを委託する企業や
地方公共団体等は,40社以上となり,年間取扱件数は約2452万件,
年間取扱金額は約1660億円に達した。このため,遅くとも平成8年頃
までには,被告の加盟店は収納代行サービスや宅配便受付サービスを提供
する店舗であるという認識が一般に広まっていた。(甲10,乙3,6,
9の1,22の1・2)

イ 被告は,平成9年4月以降,収納代行会社(代金等の回収受託業務を行
う会社)からも収納代行サービスを受託するようになった。これによって,
被告の収納代行事業は拡大し,平成10年2月末には,被告に対して収納
代行サービスを委託する企業や地方公共団体等は,約90社となり,年間
取扱件数は約5435万件,年間取扱金額は約3970億円に達した。
(甲10,乙3,6,9の1,22の1・2)

ウ 被告は,平成11年11月には,顧客がインターネットで購入した商品
等の代金の収納代行業務を取り扱うようになった。この頃には,収納代行
サービスがコンビニエンス・ストア業界全体に普及し,取扱件数も伸びて
いたが,払込票のサイズやバーコードの印字位置等がまちまちであったこ
とから,o等によって設立された財団法人p(以下「p」という。)は,
同年12月,被告を含む小売業者の要望を受けて,バーコードの様式を統
一した。これとは別に,被告においても,誤収納を防止するため,精算前
の取消しを可能とするレジシステムを開発した上,これを加盟店の店舗に
設置した。

また,被告は,平成14年11月には,加盟店の店舗に設置されている
マルチコピー機において,来店客が自らタッチパネルを操作して各種チケ
ットの購入等を行い,その代金を支払うための払込票の発券を受けられる
ようにし,当該代金を収納代行サービスの対象にした。(甲10,乙3,
6,7の1,9の1,22の1・2)

エ その後,被告は,平成15年6月には収納代行サービスの対象を国民健
康保険の保険料に広げ,翌16年以降,国民年金の保険料や固定資産税,
軽自動車税,市民税等の各種税金に範囲を拡大した。また,被告は,遅く
ã¨ã‚‚å¹³æˆï¼ ‘8年までには,qサービスを開始し,マルチコピー機で払込票
の発券を受けて代金の収納代行を行うチケット等の種類も広げ,平成22
年10月には,rもその対象とした。(甲10,乙3,6,9の1,22
の1・2,26)

オ 平成22年2月末には,被告に対して収納代行サービスを委託する企業
や地方公共団体等は,約320社となり,年間取扱件数は約3億2397
万件,年間取扱金額は約3兆0727億円に達した。現在,被告の加盟店
は,物品の販売以外に別紙サービス目録記載①~⑰の各サービスを提供し
ている。本件訴訟において差止請求の対象とされている本件対象サービス
(同目録記載①~⑪及び⑭の各サービス)のうち,同目録①から⑪までの
各サービスは,いずれも来店客の持参した払込票又はマルチコピー機から
発券される払込票の提示を受けてその委託元に支払う各種料金等の収納を
代行することを内容とするものであり,同目録⑭のサービスは,宅配便受
付サービスと同様に,大手宅配便業者が取り扱うメール便の受付を行うこ
とを内容とするものである。(甲10,乙3,6,9の1,22の1・2,26)

(4) 被告における24時間営業に係る事業展開の経緯

ア 被告は,昭和49年に第1号店を開設した当初は,年中無休で午前7時
から午後11時まで営業する態勢をとっていたが,昭和50年6月,本件
深夜営業を開始した。これに伴い,被告は,本件基本契約の営業時間に関
する条項を改定するために本件付属契約中に本件条項を置き,加盟者との
間で,本件基本契約に加えて本件付属契約を締結するようになった。その
結果,被告の加盟店では,年中無休で24時間営業を行う態勢がとられる
ようになり,遅くとも平成8年頃までには,被告の加盟店は24時間営業
の店舗であるという認識が一般に広まっていた。(乙3,4の1・2,
6)

イ 現在,被告の加盟店は,大学,病院,高層ビル等のように入構時間帯に
制限がある閉鎖施設内にある場合や条例の規制等によって営業時間帯が制
約される場合等を除き,本件深夜営業を実施している。(甲20,乙3,
4の1・2,6,証人l)

(5) 本件基本契約等の締結までの手続
ア 被告は,加盟希望者が本件システムの内容について十分に理解した上で
本件フランチャイズ・チェーンに加盟するかどうかを判断することができ
るようにするため,契約締結に先立って,加盟希望者に対する面接や既存
加盟店案内等を行うとともに,被告の開催する研修への参加を求めている。
(乙1,2,10の1~10,11の1~3,証人l,証人m)
イ 原告らが加盟した平成8年から平成19年までの間,被告が用意した店
舗の経営を行う「Cタイプ」の契約締結を希望する者については,次の手
順で契約締結が行われていた。(乙1,2,10の1~10,11の1~
3,証人l,証人m)
(ア) まず最初に,加盟希望者は,被告が加盟希望者を対象に実施する説明
会に参加を申し込む。説明会では,「aの横顔」や「a フランチャイ
ズCタイプ契約の要点の概説」と題する資料等が配布され,これに基づ
いて本件システムの概要や特徴,加盟店の業務内容,開店までの手順等
の説明が約3時間にわたって行われた後,1時間前後の質疑応答が行わ
れる。その際,加盟希望者に示される資料等の中には,収納代行サービ
ス等の内容や取扱件数及び取扱金額の推移,収納代行サービス等の重要
性等が記載されている。また,被告のリクルート担当者も,加盟店では
収納代行サービス等を提供することになっていることや,これが本件イ
メージの一部となって売上げにも貢献していること等を説明する。説明
会の最後には,一次面接を予約するための連絡先が伝えられる。

(イ) 一次面接は,加盟希望者の自宅において実施される。その際,被告の
リクルート担当者は,加盟希望者の加盟店経営者としての資質や資金計
画,家族の協力の有無等を確認するとともに,加盟店の業務内容を説明
し,個別の相談にも応じる。

(ウ) 次に,加盟希望者は,家族構成や出店希望地と立地条件等の類似する
既存加盟店の紹介を受け,これを訪問してその経営者から体験談を聴取
する。その際には,被告の担当者は同席せず,実際の業務内容や経営状
況等について率直な意見交換が行われるようにする。

(エ) その後,加盟希望者は,候補物件の中から経営する店舗を選択し,被
告のリクルート担当者や地区責任者の面接を受ける。その際には,「セ
ールスツール」(本件基本契約等の内容を説明するに当たって必要とな
る事項を網羅した書面)を用いて個々の業務内容に関する詳しい説明が
行われる。これらの面接によって加盟希望者が加盟店を経営することに
問題がないと判定された場合には,「加盟店基本契約書 あなたとaと
の間の基本的な取り決めです。」と題する文書(通称「BookⅡ」。以
下「BookⅡ」という。)を交付し,これに基づいて,本件基本契約等
の各条項に関する説明を行う。

(オ) これに続いて,加盟希望者は,実際の店舗での実地訓練を受けるため,
被告との間で,店舗運営管理委託契約を締結した上,被告の研修センタ
ーにおいて実施される5日間の校内研修と実際の店舗において行われる
5日間の訓練店研修を受講する。校内研修では,「オーナートレーニン
グ研修ノート」,「aシステムマニュアル」,「パートタイマートレー
ニングガイドブック」等が配布され,加盟店の経営全般に関する講義や
業務のシミュレーション等が行われる。また,訓練店研修は,24時間
営業を行っている被告の直営店で実施され,収納代行サービス等を含む
業務全般に従事する。

(カ) その後,加盟希望者は,被告との間で,本件基本契約等を締結する。
(キ) なお,契約締結までの手続には,契約締結時期によって多少の差異が
あった。このため,Cタイプの契約締結者である原告e,原告k,原告
g,亡c,原告j,原告f及び原告iのうち,原告eは,店舗運営管理
委託契約を締結することなだæœ¬ä»¶åŸºæœ¬å¥‘約等を締結し,その後に校内研
修及び訓練店研修を受講した。Cタイプ契約締結者のうちその余の原告
6名は,前記(ア)から(カ)までのとおりの手順を踏んだ上で本件基本契約
等を締結した。

ウ 一方,加盟者が自ら用意した店舗の経営を行う「Aタイプ」の契約締結
を希望する者については,原告らが加盟した平成8年から平成19年まで
の間,次の手順で契約締結が行われていた。(乙1,10の1~10,1
1の1~3,証人l,証人m)

(ア) 被告のリクルート担当者が加盟希望者又は勧誘対象者の店舗を訪問し,
加盟の意向を確認するとともに,「aの横顔」や「BookⅠ」と呼ばれ
る冊子(a・イメージやシステム等について分かりやすく説明したも
の),「セールスツール」等を交付した上,これに基づいて本件システ
ムの概要や特徴,加盟店の業務内容,開店までの手順等を説明する。上
記資料等の中には,収納代行サービス等の内容や取扱件数及び取扱金額
の推移,収納代行サービス等の重要性等が記載されている。また,リク
ルート担当者も,加盟店では収納代行サービス等を提供することになっ
ていることや,これが本件イメージの一部となって売上げにも貢献して
いること等を説明する。リクルート担当者による説明は,加盟希望者等
の家族も交え,必要に応じて複数回にわたって行われる。

(イ) 加盟希望者が希望する場合には,同一地区内にあるAタイプの加盟店
を紹介する。加盟希望者は,紹介された加盟店を訪問してその経営者か
ら体験談を聴取する。その際には,被告の担当者は同席せず,実際の業
務内容や経営状況等について率直な意見交換が行われるようにする。
(ウ) 加盟希望者が加盟店を経営することに問題がないと判定された場合に
は,BookⅡを交付し,これに基づいて,本件基本契約等の各条項に関
する説明を行った上,本件基本契約等を締結する。

(エ) その後,加盟者は,前記イ(オ) と同様の校内研修及び訓練店研修を受
講する。

(オ) なお,Aタイプの契約においては,加盟者が投資することになる関係
で特に慎重を期す必要があるとの観点から,説明会での一括説明という
形式はとられず,また,加盟希望者が従前から酒屋等を経営していた者
であることが多いことから,本件基本契約等の締結前に店舗運営管理委
託契約を締結して研修を受講するものとはされていなかった。Aタイプ
の契約締結者である原告h及び原告dは,上記(ア)から(エ)までの手順に
よって本件基本契約等を締結した。

エ 加盟希望者に交付される前記イ及びウの資料等は,数次にわたって改訂
が重ねられているが,記載されている事項や基本的な記載内容に大きな変
化は見られない。原告らのうちで最も加盟時期の早い原告dが加盟した平
成8年頃に用いられていた「aの横顔」(乙6)には,「aでは,お客さ
まのライフスタイルの変化をいち早くとらえ,他に先がけて電気・ガス・
電話などの料金収納代行のサービスを開始。今では年間のご利用が250
0万件にも上り,24時間365日,地域の生活に密着したお店として着
実に信頼を増しています。」との記述に加えて,40社以上に及ぶ収納代
行サービスの委託元の企業名等が記載されていた。同様に,原告dに次い
で加盟時期の早い原告e及び原告fが加盟した平成11年頃に使用されて
いた「aの横顔」(乙22の1)にも,「他に先がけて始めた電気・ガ
ス・水道・電話などの料金収納代行サービスはすっかり浸透。今では全店
で,年間約7000万件のご利用があるまでに成長しました。」との記述
に加えて,収納代行サービスの委託元が126社に上る旨が記載されてい
た。

また,平成13年6月作成の「オーナートレーニング研修ノート」(乙
7の2)には,「コンビニエンスストアは,お客様に便利さをいかに提供
していくかが大切です」,「今や商品だけでなく,様々なサービス業務も
取り扱っていかねばなりません」との記述があり,当該「サービス業務」
として「宅配便の受付」,「公共料金等の代金収納業務」などが挙げられ
ていた。(乙4の1・2,5,6,7の1・2,10の2・3,22の1~3,23)

(6) 本件対象サービスの実施状況等
ア 平成22年2月末当時,被告が取り扱っている収納代行サービス等のう
ち,本件訴訟で差止請求の対象とされている本件対象サービス(同目録記
載①~⑪及び⑭の各サービス)の取扱状況は,年間取扱件数が約3億23
96万6000件,年間取扱金額が約3兆0727億4900万円,年間
手数料収入額が約213億9637万円であった。他方,上記時点におけ
る被告の店舗数は,約1万2750店であり,1店舗当たりの年間取扱件
数は約2万5409件(1日当たり約70件),1店舗当たりの年間手数
料収入額は約167万8147円であった。これによると,上記時点にお
ける本件対象業務1件当たりの手数料収入額(チャージ控除前のもの)は,
約66円(167万8147円÷2万5409件)となる。
クレジット会社に対する支払の収納代行を行う場合には,上記手数料収
入のほかに,来店客からも別途手数料の支払を受けることになっており,
平成22年2月末時点における上記手数料総額は,約37億円であった。
これを加算すると,上記時点における本件対象業務1件当たりの手数料収
入の合計額(チャージ控除前のもの)は,約77円(66円+(37億円
÷1万2750店÷2万5409件))となる。

また,平成22年11月当時,被告の店舗におけるrの月間販売総額は
3億4693万7000円,月間販売件数は30万1093件であった。
ã“ã‚Œã«ã‚ˆã‚‹ã¨ï ¼Œä¸Šè¨˜æ™‚点における1店舗当たりのrの販売件数は1日当た
り約0.79件,1件当たりの販売額は約1152円となる。(乙9の1,
12の3)

イ 前記アのとおり,本件対象業務1件当たりの手数料収入額(チャージ控
除前のもの)は,約66円(来店客の支払手数料を加算した場合には約7
7円)であるのに対し,物品販売の代表的な商品であるおにぎりを100
円で販売した場合の粗利益は,1個当たり30円程度(チャージ控除前の
もの)となる。このため,本件対象業務1件当たりの手数料収入は,おに
ぎりを2個販売した場合の粗利益を若干上回ることになる。

また,物品販売の場合には,仕入商品の種類及び数量の決定,商品の陳
列,売れ残り商品の廃棄等に要する手間や,廃棄に伴う仕入原価相当額の
損失等のコストが生じ,加盟者はこれを負担する必要があるのに対し,本
件対象サービスの場合には,これらのコストは発生しない。(乙9の1,
10の1・5,25)

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つづく