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わかる! 使える! 契約書の基本

契約書は経営、起業・独立、副業に必須のスキルです! 自分で契約書がつくれると楽しいですよ

グリーとディー・エヌ・エー “釣りゲーム” をめぐる戦い 7

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つづき。

大変ためになる判例
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オ まとめ
以上のとおり,被告作品の魚の引き寄せ画面は,アイデアなど表現それ自体でな
い部分又は表現上の創作性がない部分において原告作品の魚の引き寄せ画面と同一
性を有するにすぎないものというほかなく,これに接する者が原告作品の魚の引き
寄せ画面の表現上の本質的な特徴を直接感得することはできないから,翻案に当た
らない。


(4) 小括
被告作品の魚の引き寄せ画面の表現から,原告作品の魚の引き寄せ画面の表現上
の本質的な特徴を直接感得することはできない。よって,第1審被告らが魚の引き
寄せ画面を含む被告作品を製作したことが,第1審原告の原告作品に係る翻案権を
侵害するものとはいえず,これを配信したことが,著作権法28条による公衆送信
権を侵害するということもできない。また,同様に,第1審被告らが魚の引き寄せ
画面を含む被告作品を製作したことが,第1審原告の原告作品に係る同一性保持権
を侵害するということもできない。


2 主要画面の変遷に係る著作権及び著作者人格権の侵害の成否(争点1-2)
について

(1) 認定事実
証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。
ア 原告作品について
(ア) 原告作品には,原判決別紙比較対照表2-1のとおり,①トップ画面,②
釣り場選択画面,③キャスティング画面及び魚の引き寄せ画面を含むゲーム画面,
④釣果画面(釣り上げ成功時及び釣り上げ失敗時を含む)が存在する。なお,上記
①,②及び④はウェブページであるのに対し,上記③はフラッシュというプラット
フォームを用いて作成されたゲーム影像である(甲5,乙40,104,弁論の全
趣旨)。

(イ) 原告作品では,上記①の「トップ画面」の次に,上記②の「釣り場選択画
面」に遷移し,ユーザーがまず,海釣りか川釣りかを選択した上で,海釣り又は川
釣りにおける釣り場を選択する。ユーザーが釣り場を選択すると,その釣り場の,
上記③の「キャスティング画面」に遷移し,キャスティング画面において,釣り竿
で,海釣りの場合はルアーを,川釣りの場合は餌を投げ(キャストし),魚がルア
ー又は餌に食い付くと,「魚の引き寄せ画面」に遷移する。そして,上記④の「釣
果画面」に遷移する(甲5,乙40,104,弁論の全趣旨)。
ゲームを繰り返し行いたいと考えるユーザーは,上記①の「トップ画面」に戻ら
なくても,上記④の「釣果画面(釣り上げ成功時)」又は「釣果画面(釣り上げ失
敗時)」から上記②の「釣り場選択画面」又は上記③の「キャスティング画面」に
戻ることにより,ゲームを繰り返すことができる。

(ウ) トップ画面には,最上部に「釣り★スタ!」のロゴが大きく記載され,そ
の下にイベント等の告知が記載され,その下に「さあ,釣りにいこう!」の文言,
イラスト及び「釣りに行く」というリンクが配置されている。上記イラストは,湾
の形をした釣り場全体を描き,画面下部に海を描き,画面上部に山と晴れた空,雲,
緑を描いたものである。その下に,「日誌」,「攻略法」,「釣具」及び「ショッ
プ」が記載され,それぞれ日誌画面,攻略法画面,釣具画面及びショップ画面への
リンクが置かれ,更にイベント情報や特定のユーザーの紹介画面へのリンクを配置
し,最下部に「お知らせ」,「釣りの手引き」,「対応機種」,「お問い合わせ」
及び「ゴールドを貯めるには」へのリンクが設置され,主要ページへのリンクが設
定されている(甲5,6,乙40,41)。

(エ) 釣り場選択画面(海の釣り場)には,最上部に「海の釣り場」の文字があ
り,その下にイラスト,「釣り場を選んでスタート」の文字及び4つの釣り場の名
称が記載されている。上記イラストは,海の側から釣り場のある湾を上空から描き,
画面下部に海,画面上部には緑のある山を描き,砂浜は白砂で,海面に白波を立た
せ,灯台があるというものである。そのイラストの下に,「釣りの準備をする」と
して「釣具えらび」,「釣具を買う」,「魚の釣り方」及び「攻略をみる」との文
言で,釣具画面,ショップ画面,ヘルプ画面及び攻略法画面へのリンクが配置され
ている。その下には,「釣り場情報」として,ユーザーが行ける釣り場(ひめみ港)
に貼られた同釣り場のキャスティング画面へのリンクと,ユーザーが行けないそれ
以外の釣り場の名称が,並べて配置されて,各釣り場のイラスト・名称や,「キャ
スティング画面」へのリンク(釣りに行く),その釣り場で大きい魚を釣ったユー
ザーのランキングを示す画面へのリンク,「攻略」・「雑談」として,それぞれの
掲示板の画面へのリンクなどがまとめて配置されている。ユーザーが行けない釣り
場には,今の称号では行くことができない旨の文章が表示されている(甲5,7,
乙40,41)。

(オ) キャスティング画面は,海の釣り場の場合,画面の上段に空,中段に水面,
下段に地面が表現され,キャストする目標を指示する矢印が決まった動きをし,ユ
ーザーが決定キーを押すと,釣り竿を振る動きがアニメーションで表現されるとと
もに,その箇所に釣り針がキャストされる。なお,川の釣り場の場合,水面に小さ
な魚影がランダムに現れ,釣り針がキャストされると画面右上に浮きが表示され,
魚が釣り針に食い付くと浮きが沈み,いずれの場合も,魚が釣り針に掛かると「H
IT!」というオレンジ色の文字が画面中央に大きく表示される(甲5,8,乙1,
40)。

(カ) アワセの画面を経て,魚の引き寄せ画面に至るが,魚の引き寄せ画面は,
前記1のとおりであり,画面上部の黒地に引き寄せメーター等が描かれ,画面下部
の黒地に「中央に来たらOKで引け!」の文字が書かれ,中央部に薄暗い青色の水
中画面が描かれ,三重の同心 円,黒い魚影及び釣り糸が描かれている。
(キ) 釣果画面(釣り上げ成功時)は,画面最上部に「○○が釣れた!」と記載
され,その下に,釣り上げた魚のイラストが大きく描かれ,魚の名前が記載されて
いる。その下に魚の大きさ,評価を示す星印,当該魚を釣ることによって獲得した
ポイント,釣果記録としてポイントや順位が記載され,ランキングへのリンクが配
置されている。その下に,「メニュー」があり,「もっと釣る!」「魚拓をとる」
として,キャスティング画面に戻るリンクや魚拓画面へのリンクが配置されており,
その下に「移動」,「釣具」,「ショップ」,「攻略法」及び「日誌」の各画面へ
のリンクが配置されている(甲5,9,乙40,41)。
(ク) 釣果画面(釣り上げ失敗時)は,「魚に逃げられた」との文字,「?」印
を中央部に付した魚影の影像,釣り上げに失敗した魚の種類及びおよその大きさを
表示している。その下のメニューには,「もっと釣る!」として,キャスティング
画面に戻るリンクが配置されており,その下に「移動」,「釣具」,「ショップ」,
「攻略法」及び「日誌」の各画面へのリンクが配置されている(甲5,10,乙4
0,41)。

イ 被告作品について


(ア) 被告作品には,原判決別紙比較対照表2-2のとおり,①トップ画面,②
釣り場選択画面,③キャスティング画面及び魚の引き寄せ画面を含むゲーム画面,
④釣果画面(釣り上げ成功時及び釣り上げ失敗時を含む)が存在する。なお,上記
①,②及び④はウェブページであるのに対し,上記③はフラッシュというプラット
フォームを用いて作成されたゲーム影像である(甲5,乙40,弁論の全趣旨)。


(イ) 被告作品では,上記①の「トップ画面」の次に,上記②の「釣り場選択画
面」に遷移し,ユーザーが釣り場を選択する。そして,「決定キーを押す画面」を
経た上で,その釣り場での,上記③の「キャスティング画面」に遷移する。ユーザ
ーは,キャスティング画面において,釣り竿で仕掛けをキャストし,魚が餌に食い
付くと,「魚の引き寄せ画面」に遷移するが,カットイン画面もある。最後に,上
記④の「釣果画面」に遷移する(甲5,乙40,弁論の全趣旨)。

ゲームを繰り返し行いたいと考えるユーザーは,上記①の「トップ画面」に戻ら
なくても,上記④の「釣果画面(釣り上げ成功時)」又は「釣果画面(釣り上げ失
敗時)」から上記②の「釣り場選択画面」又は上記③の前の「決定キーを押す画面」
に戻ることにより,ゲームを繰り返すことができる。
(ウ) トップ画面の最上部には,「サイトメンテナンスのお知らせ」及び「釣り
ゲータウン2」タイトルが大きく記載され,その下にイラストがあり,「すずなみ
島へようこそ」「釣りに行こう!!」のリンクが配置されている。上記イラストに
は,湾の形をした釣り場全体を描き,画面下部に海を描き,画面上部に山と晴れた
空,雲及び緑を描いている。その下に,「記録を見る」,「攻略を見る」,「そう
び」及び「お店」が記載され,日誌画面,攻略法画面,釣具画面及びショップ画面
へのリンクが置かれている。その下には,イベント情報や特定のユーザーの紹介画
面へのリンクを配置している。トップ画面の最下部には,「マイゲーム登録」,「ご
意見BOX」,「よくある質問」,「お問い合わせ」及び「モバコインを購入」へ
のリンクが設置され,主要ページへのリンクが設定されている(甲5,6,乙40,
41)。

(エ) 釣り場選択画面のイラストは,最上部に「釣り場を選ぼう」と記載され,
その下にイラストが記載されている。上記イラストは,海の側から釣り場のある湾
を上空から描き,画面下部に海,画面上部には緑のある山を描き,砂浜は白砂で,
海面に白波を立たせ,灯台があるというものである。そのイラストの右に4つの釣
り場の名称が記載され,ユーザーが行ける釣り場(はまな公園・あさしお堤防)に
貼られた同釣り場のキャスティング画面へのリンクと,ユーザーが行けないそれ以
外の釣り場の名称が,並べて配置されている。その下に,「釣りの準備をする」と
して,「そうび」,「魚の釣り方」,「お店」及び「攻略を見る」との文言で,釣
具画面,ショップ画面,攻略法画面及びヘルプ画面へのリンクが配置されている。
また,「釣り場情報」として,各釣り場のイラスト・名称や,「キャスティング
面」へのリンク(釣りに行く),攻略情報をユーザー間で交換する「攻略」掲示板
及び雑談をユーザー間で行う「雑談」掲示板へのリンク,釣り場別のランキングを
示す画面へのリンクなどがまとめて配置されている。ユーザーが行けない釣り場に
は,現在の階級では行くことができない旨の文章が表示されている(甲5,7,乙
40,41)。

(オ) 決定キーを押す画面を経て,キャスティング画面では,画面の上段に空,
下段に水面が描かれ,最下段にわずかに地面が表現され,キャストする目標を指示
する矢印が決まった動きをし,ユーザーが決定キーを押すと,釣り竿を振る動きが
アニメーションで表現されるとともに,その箇所に釣り針がキャストされる(甲5,
8,乙1,40)。

(カ) 魚の引き寄せ画面は,前記1のとおりである。冒頭に魚影が移動する画面
を経て,画面下に細いゲージ(引き寄せメーター)等が描かれるほか,画面のほぼ
全体が青色の水中画面であり,三重の同心円,黒い魚影及び釣り糸が描かれる,魚
の引き寄せ画面となる。

(キ) 釣果画面(釣り上げ成功時)は,画面上部に,釣り上げた魚のイラスト影
像が描かれ,その下に魚の名前,大きさ,レア度を示す星印が描かれ,画面下部に
当該魚を釣ることによって獲得したポイントや順位が記載され,ランキングへのリ
ンクが配置されている。また,「もう一度釣る」「他の釣り場に行く」として,釣
り場選択画面や決定キーを押す画面に戻るリンクや,釣具,ショップ,攻略法及び
日誌の各画面へのリンクが配置されている(甲5,9,乙40,41)。

(ク) 釣果画面(釣り上げ失敗時)は,「釣り失敗」と の文字の下に,「?」印
を中央部に付した魚影の影像が描かれ,画面下部に釣り上げに失敗した魚の種類と
およその大きさ等を表示している。また,「もう一度釣る」「他の釣り場に行く」
として,釣り場選択画面やキャスティング画面に戻るリンクや,釣具,ショップ及
び攻略法の各画面へのリンクが配置されている(甲5,10,乙40,41)。

ウ その他のゲームについて

(ア) 携帯電話機用釣りゲームは,ユーザーが携帯電話の画面上において釣り竿
を用いて水中の魚を釣り上げようと試みることを楽しむもので,釣り竿を上げるタ
イミングなどによって釣り上げに成功するか失敗するかが決まり,釣り上げに成功
したか否かの結果が画面上に表示されるものである。そのため,原告作品以前に配
信された携帯電話機用釣りゲームの多くが,「トップ画面」,「キャスティング
面」,「釣果画面」を備えていた。複数の釣り場の中からユーザーに釣り場を選択
させる「釣り場選択画面」を設けるものも,少なからず存在していた。また,従来
から,ゲームの遊戯性を高めるために「魚の引き寄せ画面」を備えているものも多
く,釣り上げ成功時にも釣り上げ失敗時にも,それぞれ「釣果画面」を設けるもの
が存在していた(甲3,23,乙111,134)。

(イ) 複数の釣り場の中から釣り場を選択して釣りをするゲームにおいて,釣り
場のイラストを表示することや,釣り場に山,白砂,白波及び灯台を表すことは,
他の釣りゲームにおいても多数存在する。

また,釣果画面に,釣り上げた魚のイラスト,名前,大きさが表示されたり,ユ
ーザーが当該魚を釣ることによって獲得したポイントや評価等が表示されたりする
ことは,他の釣りゲームや,原告作品以前に配信された他の携帯電話機用釣りゲー
ムでも,みられたものである(甲3,23,乙107,111)。
なお,「ぬし釣りシリーズ」では,釣り上げた魚のデータが記録されており,釣
りに関する情報や遊び方,釣り方等について,周囲のキャラクターからその情報を
聴くことができる(乙108,133)。

(ウ) 他の釣りゲームでも,トップ画面から釣り場選択画面への画面の転換があ
るもの,釣り場選択画面からキャスティング画面への画面の転換があるもの,キャ
スティング画面から魚の引き寄せ画面への画面の転換があるもの,魚の引き寄せ画
面から釣果画面への画面の転換があるものは,複数存在していた。
なお,「ぬし釣りシリーズ」のウキ釣りの場合の画面の遷移は,川や海を上方か
らみた画像においてキャスティングした後に,ウキが水面上に表示され,ウキが大
きく沈んだときにボタンを押すことでアワセを行うものである。そして,アワセが
成功すると画面が水中へと移行し,水中の影像は水面上を捨象して,水中のみが真
横から水平方向に描かれる(甲23,乙107)。

(エ) コレクションゲームにおいては,ユーザーが収集した対象物のイラストや
名前,大きさ,ポイントを表示するものや,収集を行う場所別のランキングを設け
るものが,従来から複数存在していた。また,収集に失敗した対象物の名称,およ
その大きさ,対象物の影像や,「?」を表示するものが存在していた。さらに,ユ
ーザーが行けない場所の文言として「レベルに達していないため行けません」「今
の称号ではまだ行けません」と表示しているものも存在する(乙4,89,90,
107,108)。

エ 携帯電話機用ゲームの特色
ウェブページ閲覧機能を用いた携帯電話機用ゲームの画面構成においては,以下
のような制約や特色がある。

(ア) ウェブページ閲覧機能を用いた携帯電話機用ゲームでは,ディスプレイ上
に表れる表示画面は常に一定ではなく,利用者が各画面に設置されたリンクを選択
することによって異なる表示画面に遷移し,これを繰り返してゲームを進めるとい
う仕組みになっている。したがって,上記携帯電話機用ゲームの画面構成は,純粋
なゲーム画面(本件ではキャスティング画面及び魚の引き寄せ画面)を除くと,情
報告知画面とリンクの組合せによって構成される。
そして,携帯電話機の場合には,ディスプレイが小さく,利用者が一度に認識す
ることができる情報量に制約があるため,多くの情報を掲載する場合,画面を下方
にスクロールしてその情報を見る必要がある。そこで,利用者の便宜のために,一
般的に,利用者が見たい情報やよく利用するページへのリンクは,なるべくウェブ
ページの上方にまとまりよく配置するなど,配置の工夫が必要であり,文字情報も,
短い言葉で表現することが必要である。

また,ウェブページの閲覧においては,基本的に携帯電話機の上下キーと決定キ
ーのみで操作する必要があるため,各リンクは,一般的に,リンク先の重要度に応
じてウェブページの上から順番に配置される。
したがって,特にトップページに関しては,全体のインデックスになるような画
面にすることが要求される。また,レイアウトのバリエーションが少ないため,そ
れぞれ見出しの下に共通の複数のコンテンツがまとめて配列されている。
また,携帯電話機用ウェブサイトの利用者の多くは,休み時間や移動時間などわ
ずかな時間を使ってアクセスをするといった時間の制約もある。そのため,利用者
によるリンクの発見や閲覧の容易性,操作等の利便性の観点から,利用者が目的の
ページに達するまでの画面遷移や,それに必要なクリック数は,なるべく少なくす
る必要がある。さらに,どのページからも目的のページに達することができるよう
にすることも必要である(甲40,乙7,8,30,31)。
(イ) SNSのようなコミュニティサイトでは,掲示板機能を提供することが一
般的である。特定のトピックごとに掲示板を備え,トピックに興味関心を持ったユ
ーザーが自由にコメントを書いていくことが一般的に行われており,攻略掲示板や
雑談掲示板を設けること自体は,ゲームの攻略サイトや携帯電話機向けのウェブペ
ージ閲覧機能を用いるゲームでは広く行われているものである(乙9 ,10)。

(2) 翻案の成否
ア 画面の選択と変遷について
原告作品と被告作品とは,いずれも,「トップ画面」,「釣り場選択画面」,「キ
スティング画面」,「魚の引き寄せ画面」及び「釣果画面(釣り上げ成功時又は
釣り上げ失敗時)」が存在し,その画面が,ユーザーの操作に従い,①「トップ画
面」→②「釣り場選択画面」→③「キャスティング画面」→「魚の引き寄せ画面」
→④「釣果画面(釣り上げ成功時)」又は「釣果画面(釣り上げ失敗時)」の順に
変遷し,上記④「釣果画面(釣り上げ成功時)」又は「釣果画面(釣り上げ失敗時)」
から上記①の「トップ画面」に戻ることなくゲームを繰り返すことができる点にお
いて,共通する。

しかし,原告作品及び被告作品は,いずれも携帯電話機用釣りゲームであり,釣
り人の実際の行動という社会的事実に立脚し,釣りの準備のため釣り場の情報を収
集し,目的の魚種に適した釣具を選んだり購入したりして装備を整え,釣り場に行
って釣りを行い,釣果を確かめ,同じ釣り場で引き続き釣りをするかどうかを決め,
違う獲物を狙う場合には装備を改めたり釣り場を変えたりするなど,基本的な釣り
人の一連の行動を中心として,この社会的事実の多くを素材として取り込み,釣り
人の一連の行動の順序に即して配列し構成したものである。

前記(1)ウのとおり,上記のような画面を備えた釣りゲームが従前から存在してい
たことにも照らすと,釣りゲームである原告作品と被告作品の画面の選択及び順序
が上記のとおりとなることは,釣り人の一連の行動の時間的順序から考えても,釣
りゲームにおいてありふれた表現方法にすぎないものということができる。また,
被告作品には,原告作品にはない決定キーを押す準備画面や魚が画面奥に移動する
画面があり,逆に原告作品にある海釣りか川釣りかを選択する画面や魚をおびき寄
せる画面がないなどの点においても異なること,原告作品と被告作品とはその他に
も具体的相違点があることも併せ考えると,上記の画面の変遷に共通性があるから
といって,表現上の本質的な特徴を直接感得することができるとはいえない。


---

つづく