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利息制限法の制限利率を超える約定利息の支払について 4

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結論。
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3 争点
前記2のとおり,平成19年10月7日以降の貸金の返還請求及び弁済の受領又は平成18年10月30日以降の貸金の返還請求及び弁済の受領について不法行為を構成する。

前記前提事実によると,原告B,原告C,原告Fについては,平成18年判決以降の取引があるところ,別紙2,3,6のとおり,平成19年10月7日の時点では,貸金債権は,既に消滅しており(前記1アのとおり,武富士において一応の対策を講じた平成18年6月以降は,みなし弁済の適用があるとしても,平成19年10月7日の時点で貸金債権が存しなかったことには,変わりがない。),過払金が発生しているから,原告らが同日以降に弁済に供した金銭は,損害と認められる。なお,これらの原告は,同日以降,武富士から貸付けを受けているが,これらの貸金債権は,平成19年10月7日より前
に発生した過払金がまず充当されて消滅するものと解される。そして,これらの原告について,平成19年10月7日より前に発生した過払金の額は,同日以降の借入額を上回るから,同日以降の借入額を控除することはしない。

前記前提事実によると,原告Eについては,平成18年判決以降の借入れがないところ,平成18年10月30日の時点で,貸金債権は既に消滅しており,過払金が発生しているから,同原告が同日以降に弁済に供した金銭は,損害と認められる。

前記前提事実によると,原告Aについては,平成7年9月1日から平成9年7月28日までの間に,696日取引のない期間があり,平成15年3月10日から平成17年8月31日まで間に905日取引のない期間があるので,武富士及び被告において,これらの期間については,取引の分断があるものとして引直計算をすることも,やむを得ない事情があるということができる。これらについて取引の分断があるものとして,引直計算をすると,平成7年9月1日まで,平成9年7月28日から平成15年3月10日まで,平成17年8月31日以降の三つの取引に分かれるところ,平成7年9月1日までの取引,平成9年7月28日から平成15年3月10日までの取引については,平成18年判決以前に取引が終わっているので,それらの取引について不法行為というべき事情は認められない。平成17年8月31日以降の取引については,別紙12のとおりであって,取引終了時である平成22年5月17日の時点で,利息制限法による制限利息で計算しても貸金債務が残っていたことからする
と,不法行為は成立しない。

前記前提事実によると,原告Dについては,平成7年9月1日から平成13年10月25日までの間に,2246日取引のない期間があるので,武富士及び被告において,これらの期間について,取引の分断があるものとして引直計算をすることも,やむを得ない事情があるということができる。平成7年9月1日までの取引については,平成18年判決以前に取引が終わっているので,その取引について不法行為というべき事情は認められない。平成13年10月25日以降の取引については,別紙13のとおりであって,平成18年10月30日の時点において貸金債権は既に消滅しており,過払金が発生しているから,同原告が同日以降に弁済に供した金銭は,損害と認められる。以上を前提に,原告らの損害額を算定すると,別紙計算書1~5のとおりとなる。

原告らの請求額と別紙計算書1~5の各末尾の額との差額については,会社法429条1項の責任が問題となるが,既に述べたところからすると,原告Aについては,同項による任務懈怠は認められず,他の原告らについては,同項による任務懈怠が認められるとしても,各原告によって平成19年10月7日以降又は平成18年10月30日以降であるから,損害額は同額である。なお,不法行為となるのは会社法施行日の平成18年5月1日より後である平成19年10月7日以降又は平成18年10月30日以降のものであるから,被告が旧商法266条の3第1項の責任を負うことはない。


第4 結論
よって,原告らの請求は,別紙計算書1~5の「損害額の元本」欄の末尾の金額(この金額が負の数値のときは,すべて正の数値とする。以下同じ)並びに「遅延損害金の合計」欄の末尾の金額の確定遅延損害金及び「年月日」欄の末尾の年月日の翌日から支払済みまで「損害額の元本」欄の末尾の金額に対する年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,その限度で認容することとし,その余は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。

横浜地方裁判所第6民事部裁判長裁判官 森 義 之
裁判官 古 閑 裕 二
裁判官 橋 本 政 和