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利息制限法の制限利率を超える約定利息の支払について 2

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つづき
双方の主張が展開


3 当事者双方の主張


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(原告らの主張)

ア 不法行為責任
平成18年判決により,みなし弁済が成立しないことが確定し,武富士の原告らに対する貸金債権が存在しないことが明らかとなった。平成21年判決における,貸金の請求・弁済の受領が事実的・法律的根拠を欠く場合には,みなし弁済が成立しない場合も含まれるところ,被告は,平成18年判決以後,みなし弁済が成立しないことを認識していた。また,被告は,武富士の代表取締役であり,顧客に対して法律上根拠のない請求をしないよう,貸金残高が存在するかどうかを確認するため,引直計算を行う義務を負っていたというべきである。単一の基本契約に基づく
取引や,取引の分断がない取引など,判断が難しい法的論点がない取引(原告らの取引はそのような取引である。)についての引直計算は困難ではない。にもかかわらず,被告は,引直計算を行わなかった。したがって,被告は,事実的,法律的根拠を欠くことを認識しながら,又は容易にそのことを知り得たにもかかわらず,あえて貸金を請求し,弁済を受領しており,不法行為責任を負う。

イ 会社法429条1項及び旧商法266条の3第1項の責任被告は,武富士の取締役として,利息制限法を含む法令の遵守義務を負うところ,平成18年判決により,みなし弁済が成立しなくなったことが明らかになった以上,その判断に従う義務がある。したがって,同法によれば債権が存在しないものについて,債権があるかのごとく請求をする行為は利息制限法に反する任務懈怠行為といえる。武富士は,平成18年判決当時,債務超過の状態であったところ,平成18年判決によって,過払金の請求を受けた場合はみなし弁済の成立が著しく困難であることを認識していた。そうすると,武富士の取締役であった被告は,武富士のリスクとして潜在的な過払金債権者がどの程度存在するのかなどを把握するため,引直計算を行わせる義務を負っていた。また,被告は,資金援助の段取りをしたり,配当を減らすべき義務を負っていた。しかし,被告は,これらの義務を怠り,返済の目途がないままに顧客から弁済金を受領した。
以上から,被告には,任務懈怠について悪意又は重過失があるといえ,会社法429条1項及び旧商法266条の3第1項の責任を負う。


(被告の主張)
下記の事情に照らすと,平成21年判決の要件を満たさないから,被告に不法行為は成立せず,また,被告に職務を行うことについて悪意又は重過失があったとはいえないから,会社法429条1項や旧商法266条の3第1項の責任も負わない


ア 平成18年判決後も,みなし弁済の規定は存在した上,その要件の解釈をめぐり,見解が分かれる状況が継続していた。また,平成18年判決によっても,特段の事情があるときはみなし弁済が成立するところ,武富士の顧客の中にも,約定元本及び制限利息さえ支払っていれば期限の利益を喪失しないことを知っているなど,特段の事情のある者が存在する可能性があった。さらに,同顧客との取引の中には分断が問題となるものもあり,そこには高度な法的判断が求められる。そうすると,原告らから弁済を受けている時点では,債務が消滅しているかは不明であり,武富士の貸金の請求が事実的・法律的根拠を欠くものとはいえない。貸金業者の監督官庁である金融庁は,平成18年判決後も,みなし弁済の成立が排除されていないことを前提にその考え方を示していた。武富士は,平成18年判決及び貸金業法施行規則の改正を受け,平成18年2月16日に社内プロジェクトを立ち上げ,複数の弁護士から意見を聴取し,金融庁の担当官等から意見を聴取した。そして,これらを踏まえ,平成18年判決や貸金業法施行規則の改正等への対応について,教育資料を作成し,従業員に交付して,武富士の社員に周知徹底を図るとともに,

期限の利益喪失約款を変更し,遅延損害金条項を削除するなど,みなし弁済の適用に関する書面の改訂作業を行ってきた。以上のように,武富士及び被告は,平成18年判決及び貸金業法施行規則の改正等を受け,適切な対応を迅速に行っていた。

イ 日本全国に多数存在し,取引内容が異なる顧客につき全て引直計算をし,幾度となく改訂され全顧客同一の形式・内容にはなっていない個別の取引において,それぞれの具体的事情を考慮し,平成18年判決の特段の事情が存在するか否かを調査することは著しく困難である。そのような調査までしなければ不法行為が成立するとは解されない。また,引直計算に当たっては,取引の分断等の多様な法的論点について判断する必要があるところ,これらの論点に対する判断は流動的であり,個別性が強く,最高裁判例が出されていても事案への適用に当たっては高度の法的判断を要するものであった。以上のことに照らすと,引直計算を行う義務はない。


ウ æ­¦å¯Œå£«ã¯ï¼Œå¹³æˆï¼‘ï¼˜å¹´åˆ¤æ±ºåŠã³è²¸é‡‘æ¥­æ³•æ–½è¡Œè¦å‰‡ã®æ”¹æ­£ã‚’å—ã‘ï¼Œå¹³æˆï¼‘ï¼˜å¹´ï¼ ’月16日に社内プロジェクトを立ち上げ,期限の利益喪失約款を変更し,遅延損害金条項を削除するなど,みなし弁済の適用に関する書面の改訂作業を行い,適切な対応をとるなど営業努力を行ってきた。


 争点

(原告らの主張)
被告の不法行為により,武富士は,平成18年判決後も,存在しない債権を原告らに請求し続け,原告らがこれを支払った。引直計算に必要な期間を考慮しても,平成18年2月以降に原告らが支払った金銭は損害となるべきである(具体的な損害額は,別紙7~11[ただし,原告Cについては,別紙3]の「残元金」欄の末尾の金額のとおり)。


(被告の主張)
否認する。


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つづく