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利息制限法の制限利率を超える約定利息の支払について

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計算も重要ですね。


株式会社武富士との間で借金をしていた原告が,
武富士の社長(当時)に対して,
不法行為又は会社法429条1項に基づいて,
損害賠償と遅延損害金を請求する事案。


まずは主張から。

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平成24年7月17日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成22年第6906号 損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成24年4月17日

判 決
(当事者の表示 省略)
主 文
 被告は,原告Bに対し,109万2290円及びうち103万2000円に対する平成22年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Cに対し,78万9073円及びうち72万7000円に対する平成22年1月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Fに対し,104万8958円及びうち98万4000円に対する平成22年5月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Dに対し,77万5974円及びうち71万1000円に対する平成22年2月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Eに対し,95万4147円及びうち90万6303円に対する平成20年12月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 原告Aの請求及び原告A以外の原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,原告Aに生じた費用のすべてと被告に生じた費用の6分の1を原告Aの負担とし,原告A以外の原告らに生じた各費用の5分の4と被告に生じた費用の3分の2を被告の負担とし,その余を原告A以外の原告らの負担とする。

4 この判決は,第1項~に限り,仮に執行することができる。


事 実 及 び 理 由


第1 請求
 被告は,原告Aに対し,158万5345円及びうち149万4839円に対する平成22年5月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Bに対し,116万8215円及びうち113万9782円に対する平成22年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Cに対し,85万2498円及びうち77万8589円に対する平成22年1月19日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Fに対し,135万7590円及びうち128万3021円に対する平成22年5月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Dに対し,105万3841円及びうち94万6000円に対する平成22年2月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 被告は,原告Eに対し,126万3507円及びうち118万1303円に対する平成20年12月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。


第2 事案の概要
本件は,株式会社武富士(以下「武富士」という。)との間で金銭消費貸借取引をしていた原告らが,武富士代表取締役であった被告に対して,不法行為又は会社法429条1項(会社法施行前の被告の行為については,平成17年法律第87号による改正前の商法[以下「旧商法」という。]266条の3第1項)に基づき,損害賠償と遅延損害金を請求する事案である。


1 前提事実(当事者間に争いのない事実及び掲記証拠と弁論の全趣旨により認められる事実)

 原告らは,貸金業者である武富士との間で,別紙1~6の「年月日」の年月日に,「借入金額」の金額を借り入れ,「弁済額」の金額を弁済した(以下「本件取引」という。甲1~6)。原告らと武富士との間の取引は,基本契約に基づく取引であった。

本件取引の約定利率は,利息制限法の制限利率を超過していた。
被告は,平成16年6月29日から平成22年5月17日までの間,武富士代表取締役であった。

最高裁判所は,平成18年1月13日 ,債務者が利息制限法の制限利率を超える約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約(以下「本件期限の利益喪失特約」という。)の下での同約定利息の支払につき,

「本件期限の利益喪失特約…の特約の存在は,通常,債務者に対し,支払期日に約定の元本と共に制限超過部分を含む約定利息を支払わない
限り,期限の利益を喪失し,残元本全額を直ちに一括して支払い,これに対する遅延損害金を支払うべき義務を負うことになるとの誤解を与え,その結果,このような不利益を回避するために,制限超過部分を支払うことを債務者に事実上強制することになるものというべきである。」

として,上記のような誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り,任意の支払とは認められず,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号による改正前のもの。以下「貸金業法」という。)43条1項は適用されないとの判決を言い渡した(最高裁平成16年第1518号同18年1月13日第二小法廷判決・民集60巻1号1頁。以下「平成18年判決」という。)

また,平成18年判決は,貸金業の規制等に関する法律施行規則(平成18年内閣令第39号による改正前のもの。以下「貸金業法施行規則」という。)15条2項の規定のうち,貸金業者が弁済を受けた債権に係る貸付けの契約を契約番号その他により明示することをもって,貸金業法18条1項1号から3号までに掲げる事項の記載に代えることができる旨定めた部分は,同法の委任の範囲を逸脱した違法な規定として無効であるとした。


最高裁判所は,平成21年9月4日,貸金業者が,借主に対し貸金の支払を請求し,借主から弁済を受ける行為それ自体は,当該貸金債権が存在しないと事後的に判断されたことや,長期間にわたり制限超過部分を含む弁済を受けたことにより結果的に過払金が多額となったことのみをもって直ちに不法行為を構成するということはできないが,上記請求ないし受領が暴行,脅迫等を伴うものであったり,貸金業者が当該貸金債権が事実的,法律的根拠を欠くものであることを知りながら,又は通常の貸金業者であれば容易にそのことを知り得たのに,あえてその請求をしたりしたなど,その行為の態様が社会通念に照らして著しく相当性を欠く場合には不法行為を構成するとの判決を言い渡した(最高裁平成21年第47号同年9月4日第二小法廷判決・民集63巻7号1445頁。以下「平成21年判決」という。)。 武富士は,平成22年10月31日,更生手続開始の決定を受けた(甲7)。


2 争点

 被告に不法行為が成立するか,会社法429条1項及び旧商法266条の3第1項の責任を負うか。

 負うとした場合に原告らの損害額はいくらか。