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わかる! 使える! 契約書の基本

契約書は経営、起業・独立、副業に必須のスキルです! 自分で契約書がつくれると楽しいですよ

ソフトウェアのリース契約は無効にできるか? おぼえておきたい判例2

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つづき

被告の主張。
あくまでもリース契約が成立していると主張。


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3 被告の主張

(1) 総論について
ア 被告と訴外E社は別法人であり,リース期間中,ユーザーである原告らの信用リスクを負担し続ける被告は,訴外E社と利益相反の関係にある。被告は,独自にユーザーの信用調査を行い,電話による確認も行ってリース契約を締結している。本件各契約は提携リースにはあたらず,被告と訴外E社との間に提携関係,一体関係はない。

イ 小口リース契約においては,契約締結手続の一部が簡易化されるものの,その法的関係は,一般的なリース契約と変わるところはない。

(2) 本件各契約の対象について
ア 本件各契約は,原告らと被告との間において,ソフトウェアを対象とするリース契約として成立したものであり,具体的には,被告が,サプライヤーである訴外E社から,ホームページ作成用のソフトウェアであるE社オリジナルソフトまたはE社ソフト(以下「本件ソフト」という。)の使用許諾を受け,これを原告らに再使用許諾することを内容とするものである。ホームページ作成等の役務の提供を内容とするものではない。

イ 原告らは,リース契約の対象として,本件ソフトが記載されたリース契約書に署名押印しており,本件各契約の対象に役務の提供が含まれないことを確認する旨の書面(リース物件受領書及び確認書)にも署名押印しており,本件各契約が本件ソフトを対象とすることは明らかである。

ウ 被告は,電話確認に対し,原告らが,リース契約の対象は本件ソフトである旨を回答したからこそ,本件各契約の締結に応じたのであって,役務の提供が目的であることが判明していれば,リース契約の締結には応じていない。訴外E社が原告らに役務の提供を約したとしても,原告らと被告との契約関係には影響しない。

エ 本件各契約は,本件ソフトを対象とするものであり,完成後のホームページ自体を対象とするリース契約にはあたらない。

オ 原告らは,本件各契約が,ホームページの作成,更新という役務の提供を内容とすることを前提に,あるいは,本件各契約が,完成後のホームページそれ自体を対象とすることを前提に,本件各契約の不成立,心裡留保無効,債務不履行解除を主張するが,いずれも失当である。

(3) 本件ソフトの引渡しについてア 原告らは,被告に対し,書面(リース物件受領書及び確認書)及び電話に対する応答により,本件各契約のリース物件の引渡を受けたことを認め,その後,長期間リース料を支払っているから,信義則上,原告らは,リース物件の引渡のないことを主張できない。

イ 原告らは,本件ソフトの不存在を主張するようであるが,本件各契約上、被告らに金融の便宜を得させるファイナンス・リースの性質を有するから,仮に本件ソフトが不存在であったとしても,本件各契約が直ちに不成立,無効となるものではない。

ウ 本件各契約のリース物件が,瑕疵のない完全な状態で引き渡されたことを確認するのは,ユーザーである原告らの責務であり,リース会社である被告が,リース物件を原告らに引き渡す義務を負ったり,これを確認する義務を負ったりするものではない。

(4) その他の主張について
リース物件の選定及び価格の決定は,ユーザーである原告らとサプライヤーである訴外E社との交渉に委ねられており,被告において,リース料の価格が適性かを確認すべき義務はない。また,仮に原告らと訴外E社がリース料を通常より高額に設定したとしても,本件各契約の効力には影響しない。本件各契約が公序良俗に違反するとの原告らの主張は理由がない。


(5) まとめ
ア 本件各契約は,本件ソフトを対象とするリース契約として有効に成立しており,その不成立,無効をいう原告らの主張はいずれも理由がない。イ 被告には何らの債務不履行はなく,訴外E社からの役務の提供は,リース料と対価関係に立たないから,原告らは,訴外E社からの役務の提供のないことを理由に,本件各契約を債務不履行解除することはできない。


ウ 原告らは,本件ソフトをリースの対象とする契約書を作成し,本件ソフトが引き渡された旨の電話確認に応じた後,長期間にわたって,リース料を支払ったのであるから,その後の訴外E社からの役務の提供がないことを理由に,信義則を主張して,リース料の支払を免れることはできない。

エ 以上のとおり,原告らの主位的主張,予備的主張1から3までは,いずれも理由がない。

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明日は裁判所の判断を掲載予定。

つづだ