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わかる! 使える! 契約書の基本

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所有権移転登記の大切さ 2 (裁判所の判断)

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第3 当裁判所の判断

1 前記前提事実に証拠(甲13の2・3,14の4~7,15の4・5,20)及び弁論の全趣旨を総合すると,Hは,平成21年7月21日,F,G及びIは,同月28日,Jからの連絡文書(甲15の4・5)等によって,亡Aの死亡及び本件土地の存在を初めて知り,いずれも,同年9月14日,名古屋家裁に,被相続人亡Aの相続の放棄を申述し,同年10月13日,受理されたことが認められる。

2 前記前提事実に証拠(甲12の1~3,14の1~3,15の1~3,17,18の1,20ないし23,乙1,2,証人E,証人C,証人B)及び弁論の全趣旨を総合すると,亡Dは,亡Aの死亡時(平成18年○月○日)には,認知症及び脳出血により既に意思能力がなくなっており,平成19年12月13日,死亡したこと,Jは,原告X1から本件土地のことを聞いており,平成20年11月5日,被告に対し,本件土地のことを問い合わせ,以後,同年12月5日,平成21年1月15日,同年2月2日,同月4日,同年4月7日,同月10日,同年5月15日,同月25日,同年6月15日と,被告との交渉等を続けていたこと,原告X4は,同月2日ころ,Jからのメールで,本件不動産が分譲住宅であったこと等について連絡を受け,これをBに話したこと,B及び原告X4は,同月29日,Cは,同月28日,Eは,同月27日,Jから連絡文書(甲15の1~3)等の送付を受けたこと,B及びCは,いずれも,同年8月12日,名古屋家裁に,被相続人亡Aの相続の放棄を申述し,同月19日,受理され,Eは,同年9月14日,名古屋家裁に被相続人亡Aの相続の放棄を申述し,同年10月13日,受理されたこと,Eは,亡Aと,昭和60年1月のL(原告X4,E及び原告X3の父)の葬儀の時を最後として,その後は交流が全くなく,原告X1とも,上記葬儀の時を最後として,その後は年賀状のやりとり以外の交流はなかったこと,B及びCは,亡Aと,記憶もないような幼少時を除けば,昭和44年のBと原告X4との結婚式の時に会っただけで,その他の交流は全くなかったこと,Cは,原告X1と,平成14年8月2日のM(B,原告X2及びCの父。以下「亡M」という。)の葬儀の時を最後として,その後は交流が全くなかったこと,Bは,原告X1と,亡Mの葬儀の時に会って以降,年賀状のやりとり以外の交流はなかったこと,原告X4は,平成18年4月23日,原告X1からの連絡で,亡Aの死亡及び本件火災があったことを知り,これらを,同日,Bに伝え,同月24日,Eに伝えたこと,Bは,これらを,同月25日,Cに伝えたこと,原告X4は,同日,本件火災現場(本件土地)へ行き,そこからKと電話で話をし,その後,本件火災現場に来たKと話をして,「市営○○住宅荘 棟 号」内にある物件について,一切の権利を放棄し,その処分に異議はなく,処分を被告に委任する旨の被告市長宛の委任状(乙1)及び原状回復や残置物件の処分,処分に要する費用の負担,敷金の充当等について記載のある被告市長宛の退去届(乙2)にそれぞれ署名押印し,本件火災後の家財残置物の処分費用を原告X4が負担することで,市営住宅に関する処理は終了するものとされたこと(なお,失火の場合,近隣への延焼については,失火ノ責任ニ関スル法律により,失火者に重大な過失がない限り,不法行為責任は負わない。),原告X4及びBは,同月の時点で,亡Aは,借家住まいであり,本件火災により亡Aの財産は焼失するなど全て価値がなくなり,債務も存在しないものと認識しており,Bは,亡Dが亡Aの財産を相続し,将来さらに自分が相続する可能性があることを認識していなかったこと,Eは,同月の時点で,自分が亡Aの相続人となることを認識しておらず,亡Aの財産や債権債務について全く興味がなかったこと,Cも,同月の時点で,亡Dが亡Aの相続人となり,将来さらに自分が相続する可能性があることを認識しておらず,亡Aの財産や債権債務について全く興味がなかったこと,本件不動産について,原告X4及びBは,平成21年6月2日ころ,Jからのメールによって初めて知り,Eは,同月27日,Jからの連絡文書(甲15の1)等によって初めて知り,Cは,同月28日,Jからの連絡文書(甲15の2)等によって初めて知ったことが認められる。

3 本件訴えは,1個の不動産(本件土地)について,共有権に基づき,亡Aへの所有権移転登記手続を求めるものであるから,共有者全員について合一に確定する必要があり,共有者全員を訴訟の当事者とすることを要するいわゆる固有必要的共同訴訟であると解される。

しかし,以上の認定事実によれば,被相続人亡Aの相続について,F,G,H及びIの相続放棄は,いずれも自己のために相続の開始があったこと(亡Aの死亡及び本件土地の存在)を知ったときから3か月以内にされたものと認められ,有効なものであるし,B,C及びEは,亡Aの死亡を,平成18年4月中に知ったのであるから,Eについては,原則としてこの時点から熟慮期間が進行し,亡Aの相続人でなかったB及びCについては,原則として意思能力がなかった亡Dの死亡(平成19年12月13日)を知ったときから熟慮期間が進行することとなるが,いずれも,これらの時点から3か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかったのは,亡Aの積極及び消極の相続財産について,自分に権利義務が帰属することさえ意識しないなど,その存在を全く認識していなかったためであり,B,C及びEと亡Aとの交流がほとんどなかったことからすれば,B,C及びEには,上記のような認識であったことについて相当な理由があると認められる。そうすると,本件土地の存在等を認識した時点であるBにつき平成21年6月2日ころ,Eにつき同月27日,Cにつき同月28日から,それぞれ熟慮期間を起算すべきであり,同年8月12日にされたB及びCの相続放棄並びに同年9月14日にされたEの相続放棄は,いずれも有効なものと認められる。

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4 以上によれば,B,C,E,F,G,H及びIの相続放棄により,被相続人亡Aを相続し,本件土地を共有することが可能な者は,原告X1,原告X2,原告X4及びX3の4名のみになったものと認められる。

そうすると,本件訴えは,訴訟の当事者となるべき者全員が原告となっているのであって,適法なものと認められる。

5 よって,被告の本案前の答弁は理由がなく,主文のとおり中間判決をする。


名古屋地方裁判所民事第8部裁判官 長 谷 川 恭 弘(別 紙)物 件 目 録所在 愛知県名古屋市○区○町○丁目地番 ○番○地目 宅地地積 131.70㎡以 上