わかる! 使える! 契約書の基本

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契約解除の有効性?! まるでドラマな面白い判例 2

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昨日見つけた
超おもしろい判例

長ーいので分割していく。


昨日は登場人物だったが、
今日は、「争いのない事実等」について。

ようはこの問題をよみとくための背景知識。

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1 争いのない事実等
(末尾に証拠の掲記がない事実は,当事者間に争いがない事実である。)

(1) 当事者

ア 原告等
 (ア) 原告は,平成6年11月28日付けで設立された,情報処理サービス業及び情報提供サービス業等を業とする株式会社である。

Aは,平成11年ころから平成21年10月13日まで,原告の全株式を保有し,原告の代表取締役を務めていた(乙4の1,乙8)。

 (イ) 株式会社ペンジュラム(以下「ペンジュラム社」という。)は,B及び原告代表者C(以下「原告代表者」という。)により,平成21年1月30日付けで設立された,投資業等を営む株式会社である(甲50,乙4の2)。

ペンジュラム社は,平成21年10月13日,Aから,Aの保有する原告の株式200株のうち180株を譲り受けた。

Aは,同日,原告の代表取締役を退任し,Bが原告の代表取締役に就任し,原告代表者が原告の取締役に就任した。

Bは,平成22年12月29日,原告の代表取締役を退任し,原告代表者が原告の代表取締役に就任した。

イ 被告ら等
(ア) 被告MFI社は,平成20年3月6日付けで,シンガポール共和国の法律に従い成立した法人である。

(イ) 被告株式会社イレブン(以下「被告イレブン社」という。)は,平成3年4月30日付けで設立された,出版物の企画,製作,販売等を業とする株式会社である(甲6)。

(ウ) 被告アップ社は,平成19年3月26日付けで設立された,冠婚葬祭に関する情報の提供及び式典の代行,仲介,斡旋等を業とする株式会社である(甲11)。

(エ) 被告株式会社EMS(以下「被告EMS社」という。)は,平成19年3月27日付けで設立された,コンピューターソフトウェア及びハードウェアの開発,設計,保守並びに販売等を業とする株式会社である(甲14)。

(オ) 被告株式会社Infini Style(以下「被告Infini社」という。)は,平成19年3月23日付けで設立された,冠婚葬祭に関する情報の提供及び式典の代行,仲介,斡旋等を業とする株式会社である(甲15)。

(カ) 被告株式会社lea(以下「被告lea社」という。)は,平成19年3月26日付けで設立された,広告宣伝に関するコンサルタント業等を業とする株式会社である(甲16)。

(キ) Dは,被告MFI社の代表者及び被告イレブン社の代表取締役である。また,Dは,被告アップ社の株主であり,同社の全株式を保有している(甲46)。


(2) 本件特許権の設定登録

 ア 原告は,別紙特許権目録記載1の特許権(以下「本件特許権1」という。)について,平成11年8月13日に設定登録を受けて特許権者となり,同目録記載2の特許権(以下「本件特許権2」といい,本件特許権1と併せて「本件特許権」という。)について,平成15年2月21日に設定登録を受けて特許権者となった。

 イ 本件特許権に係る発明は,商品やサービスの代金を支払うごとに顧客がポイントを得ることのできるポイントシステムに関するものであり,発明者は,Aほか1名である(乙4の5)。

 ウ 本件特許権1については,平成21年5月22日,特許無効の審判が請求され(無効2009-800106号),無効審決及びこれに対する審決取消訴訟における請求棄却判決(知的財産高等裁判所平成22年(行ケ)第10217号)を経て,平成23年4月21日,無効であることが確定し,特許権が消滅した(裁判所に顕著な事実)。


(3) 本件特許権に対する専用実施権の設定登録

ア 被告アップ社に対する専用実施権の設定登録

(ア) 原告と被告アップ社は,平成19年10月1日,特許権の専用実施権設定に係わる基本契約書」(甲12。以下「原告・被告アップ社間の専用実施権設定契約書」といい,同契約書に基づく契約を「原告・被告アップ社間の専用実施権設定契約」という。)を締結し,原告が本件特許権について被告アップ社に対して専用実施権を設定する旨を約した。

原告・被告アップ社間の専用実施権設定契約書では,専用実施権の適用範囲及び適用期間について,次のとおり定められた。


第3条(専用実施権の適用期間)
1. 当該特許における専用実施権の適用範囲は,乙(判決注:被告アップ社)の事業範囲内とする。
2. 省略

第4条(専用実施権の適用範囲期間)
1. 専用実施権の適用期間は,平成19年10月1日から平成20年9月30日までの1年間とする。ただし,契約締結日の30日前までに甲(判決注:原告)乙より他方当事者に対し,書面による契約終了の通知がされなかった場合は,本契約の内容及び有効期間は更に1年間延長されるものとし,以後の延長についても同様とする。
2. 第1項にかかわらず,各当事者は他方当事者に対し,2か月前までに書面による契約終了の意思表示を行い,本契約を終了させることができる。


第5条(ロイヤルティ料)
乙の甲に対するロイヤルティ料は,別紙(省略)に定めるものとする。(以下省略)



(イ) 原告及び被告アップ社は,平成19年10月12日,上記専用実施権の範囲について,地域を「日本国内全域」,期間を「本特許権の存続期間」,内容を「全部」とする,専用実施権の設定登録手続を行い,同月25日,同設定登録がされた(甲1,2)。

イ 被告MFI社に対する専用実施権の移転登録

(ア) 原告と被告MFI社は,平成20年7月10日,特許権の専用実施権設定に係わる基本契約書」(甲3。以下「本件専用実施権設定契約書」といい,同契約書に基づく契約を「本件専用実施権設定契約」という。)を締結し,原告が本件特許権につき被告MFI社に対して専用実施権を設定する旨を約した。

本件専用実施権設定契約書では,専用実施権の適用範囲及び適用期間について,次のとおり定められた。



第3条(専用実施権の適用期間)

1. 当該特許における専用実施権の適用範囲は,乙(判決注:被告MFI社)の事業範囲内とする。
2. 省略

第4条(専用実施権の適用範囲期間)
1. 専用実施権の適用期間は,平成20年9月1日から平成21年8月末日までの1年間とする。ただし,契約締結日の30日前までに甲(判決注:原告)乙より他方当事者に対し,書面による契約終了の通知がされなかった場合は,本契約の内容及び有効期間は更に1年間延長されるものとし,以後の延長についても同様とする。
2. 第1項にかかわらず,各当事者は他方当事者に対し,2か月前までに書面による契約終了の意思表示を行い,本契約を終了させることができる。

第5条(専用実施権使用料)
1. 乙は,甲に対し,本特許侵害企業より特許使用料の入金があった月末締めの翌月末に,専用実施権使用料を支払うものとする。
2. 乙の甲に対する専用実施権使用料は,乙の獲得した特許使用料の20%とする。ただし,上限を年間2000万円とする。(以下省略)



(イ) 原告と被告アップ社は,原告と被告MFI社の間で本件専用実施権設定契約が締結されたことにより,原告・被告アップ社間の専用実施権設定契約を合意解除した(弁論の全趣旨)。

(ウ) 原告,被告アップ社及び被告MFI社は,平成20年8月1日,上記アのとおり設定登録された被告アップ社の専用実施権を被告MFI社に移転登録する手続を行い,同月14日,同移転登録がされた。

なお,原告,被告アップ社及び被告MFI社が,上記契約実体に合わせて,被告アップ社への専用実施権設定登録を抹消し,新たに被告MFI社への専用実施権設定登録を行うという登録手続を採らずに,被告アップ社から被告MFI社への専用実施権の移転登録手続という方法を採ったのは,後者の方が登録手続に要する手数料が安かったことから,手数料を節減することとしたためである。



(4) 本件特許権に対する通常実施権の設定登録

ア ●(省略)●

イ 被告MFI社は,平成21年6月ころから同年7月ころまでの間に,被告イレブン社,被告アップ社,被告EMS社,被告Infini社及び被告lea社(これら5社を併せて,以下「被告イレブン社ら」という。)に対し,本件特許の専用実施権に基づいて通常実施権を許諾し,原告は,これを承諾した(これら5件の許諾契約を総称して,以下「本件通常実施権設定契約」という。)。

原告,被告MFI社及び被告イレブン社らは,別紙通常実施権目録記載2ないし6のとおり,同年6月22日から同年7月9日までの間に,上記通常実施権の設定登録手続を行った(ただし,通常実施権者名等は,特許法等の規定により非開示)。


(5) Aからペンジュラム社に対する原告の株式の譲渡

Aとペンジュラム社は,平成21年9月30日,Aの保有する原告の株式180株(原告の発行済み株式の90%)について,同年10月13日をもってペンジュラム社に譲渡する旨を合意し,同日付けの株式譲渡契約書(乙4の13。以下「9月30日付け株式譲渡契約書」といい,同契約書に基づく契約を「9月30日付け株式譲渡契約」という。)を作成した。

Aとペンジュラム社は,9月30日付け株式譲渡契約の詳細を定めるため,平成21年10月13日,同日付けの株式譲渡契約書(乙4の14。以下「10月13日付け株式譲渡契約書」といい,同契約書に基づく契約を「10月13日付け株式譲渡契約」という。また,同契約と9月30日付け株式譲渡契約とを併せて,「本件株式譲渡契約」ということがある。)を締結し,同日(平成21年10月13日)をもって,Aの保有する原告の株式180株(原告の発行済み株式の90%)をペンジュラム社に譲渡した。

Aは,同日,原告の代表取締役を退任し,Bが原告の代表取締役に就任した。



(6) 原告から被告MFI社に対する本件専用実施権設定契約の解約通知

ア 原告は,平成20年10月13日付け内容証明郵便により,被告MFI社に対し,本件専用実施権設定契約の第4条第2項の規定に基づき,同年12月13日をもって同契約を終了することを通知し,同通知は,同月15日に被告MFI社に到達した(甲4,5。以下「本件解約通知」という。)。

イ 被告MFI社は,平成21年10月22日ころ,原告に対し,原告及び被告MFI社が作成した平成20年8月20日付けの覚書(以下「本件覚書」という。)を送付し,本件基本契約の第3条及び第4条は本件覚書により削除されており,上記解約は無効である旨を回答した(乙15の1,2,乙16)。

本件覚書には,原告と被告MFI社との間で,本件専用実施権設定契約における
第3条(専用実施権の適用期間)及び第4条(専用実施権の適用範囲期間)を削除し,平成20年8月1日に特許庁で受け付けられその後登録された適用範囲と適用期間(前記(3)参照)とすることを合意する旨の記載が存在し,
覚書の末尾に,原告(代表者はA)及び被告MFI社(代表はD)の記名押印がされている。

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さあどうなるw

明日はいよいよ「争点」