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瑕疵担保責任にこだわってみる

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瑕疵担保責任とは
なかなかやっかいな条文です。

契約書案を起案するときも、
気を使うことが多い。

難しいのは、
瑕疵担保責任というのが結局なんなのか、
あまり理解されていないせいもあるかもしれない。

簡単にいえば、
売った商品にきず(瑕疵)があったら、どうしてくれるの?
みたいなはなし。

それはまあ、売主(やら請負人やら)が、
ちゃんとしなきゃだめだよね、
という。

そのちゃんとしなきゃだめだよ、
という部分を、
瑕疵担保責任と呼んでいます。


具体的にはどんなこというと、
民法では一応、
瑕疵を知ったときから一年以内に申出ることになっています。

売主からすると不便なルールなので、
見つけたら6ヶ月以内に申出てくれとか、
そうやって短く規定したりします。

条文を起案するときに迷うのは、
こういう期間の設定です。

たとえば
シンプルにいえば瑕疵担保は

第○○条 
甲は、成果物に瑕疵があるときは、乙に対して相当の期間を定めてその瑕疵の修補を請求できる。

のような条件です。

これだとなおしてもらうことしかできなくなりそうで、
実際はお金で賠償してもらうほうがよかったりもしますから、

甲は、成果物に瑕疵があるときは、乙に対して相当の期間を定めてその瑕疵の修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。 

とつけくわえたりします。

また、
最初の検品のときにはみつからなかったキズに対応するために
ねんのため、

2 前項において乙が負うべき責任は、第○○条の規定による検査に合格したことをもって免れるものではない。 

というのもつけたしてもよさそうです。
これで、検査にいちどは合格したとしても、
あとでみつかった不良、キズ、不具合などを、
売主に請求できますね。

売主としてはたまったものではありませんが。

そこで、期間を区切ります。

3 第1項の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求は、成果物の引渡しの日から2年以内に行わなければならない。

といったことですね。

しかし、
ここでまた買主としては、
期間は区切られていても、リスクを防ぎたいと考えるので、
 
4 前項の規定にかかわらず、成果物の瑕疵が乙の故意又は重大な過失により生じた場合には、同項に規定する請求を行うことができる期間は、引渡しを受けた日から10年とする。 

などと、
条件付きで期間をのばしてくることが考えられます。

そこで、
売主としては、
不良があることを知りながら、
ずっとだまっていて、ずいぶんと後になってから請求されたりすることを
防ぐために、

5 甲は、成果物の引渡しの際に瑕疵があることを知ったときは、その旨を直ちに乙に通知しなければ、当該瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることはできない。


という条件をつけることを考えます。

この場合、買主としてはすかさず、

ただし、乙がその瑕疵があることを知っていたときは、この限りでない。 

を主張すべきでしょうねw

まとめると
第●● 条 甲は、成果物に瑕疵があるときは、乙に対して相当の期間を定めてその瑕疵の修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。 
2 前項において乙が負うべき責任は、第○○ 条の規定による検査に合格したことをもって免れるものではない。 
3 第1項の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求は、成果物の引渡しの日から2年以内に行わなければならない。
4 前項の規定にかかわらず、成果物の瑕疵が乙の故意又は重大な過失により生じた場合には、同項に規定する請求を行うことができる期間は、引渡しを受けた日から10年とする。 
5 甲は、成果物の引渡しの際に瑕疵があることを知ったときは、第1項の規定にかかわらず、その旨を直ちに乙に通知しなければ、当該瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることはできない。ただし、乙がその瑕疵があることを知っていたときは、この限りでない。 

のようになりそうです。


「売った商品」や、
「請負った成果物」に対する売主(請負人)の責任っていうけど、
担保責任っていうより、
それは債務不履行責任じゃないの?

って思った方はするどいですね。
このふたつは比較すると結構おもしろいところです。