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わかる! 使える! 契約書の基本

契約書は経営、起業・独立、副業に必須のスキルです! 自分で契約書がつくれると楽しいですよ

不当利得返還等請求事件 最高裁判所第二小法廷 平成20年1月18日 2

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2 原審が確定した事実関係の概要は次のとおりである。

(1) 上告人は,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号によ
り法律の題名が貸金業法と改められた。)3条所定の登録を受けた貸金業者であ
る。

(2) 被上告人は,上告人との間で,平成2年9月3日,次の約定により,継続
的に金銭の借入れとその弁済が繰り返されるリボルビング式金銭消費貸借に係る基
本契約(以下「基本契約1」という。)を締結した。
ア 融資限度額 50万円(被上告人はこの範囲で自由に借増しができる。)
イ 利 息 年29.2%
ウ 遅延損害金 年36.5%
エ 返 済 日 毎月1日
オ 返 済 方 法 借入時の借入残高に応じた一定額以上を毎月弁済日までに支
払う。

(3) 被上告人は,平成2年9月3日から平成7年7月19日までの間,第1審
判決別紙法定金利計算書1の番号1から74までの年月日欄記載の日に借入金額欄
又は弁済額欄記載のとおり金銭の借入れと弁済を行った。これにより,基本契約1
の約定利率による利息及び元金は,平成7年7月19日に完済された計算となる。
なお,この間の弁済につき,制限超過部分を元本に充当されたものとして計算をし
た残元金は,上記法定金利計算書1の番号1から74までの残元金欄記載のとおり
であって,平成7年7月19日の時点における過払金は42万9657円となる。
(4) 被上告人は,上告人との間で,平成10年6月8日,次の約定により,継
続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返されるリボルビング式金銭消費貸借に係る
基本契約(以下「基本契約2」という。)を締結した。
ア 融資限度額 50万円(被上告人はこの範囲で自由に借増しができる。)
イ 利 息 年29.95%
ウ 遅延損害金 年39.5%
エ 返 済 日 毎月27日
オ 返 済 方 法 借入時の借入残高に応じた一定額以上を毎月弁済日までに支
払う。

(5) 被上告人は,平成10年6月8日から平成17年7月7日までの間,第1
審判決別紙法定金利計算書2の番号1から146までの年月日欄記載の日に借入金
額欄又は弁済額欄記載のとおり金銭の借入れと弁済を行った。
(6) 上告人は,基本契約2の契約書の作成に際し,被上告人から,借入申込書
の提出を受け,健康保険証のコピーなどを徴求した上,被上告人の勤務先に電話し
て在籍の確認をした。

上記契約書作成に際しての審査項目のうち,被上告人の融資希望額,勤務先,雇
用形態,給与の支給形態,業種及び職種,住居の種類並びに家族の構成は,基本契
約1を締結したときのものと同一であり,年収額及び他に利用中のローンの件数,
金額についても大差はない状況であった。また,基本契約2を取り扱った上告人の
支店は基本契約1を取り扱った支店と同一であった。

3 原審は,次のとおり判示して,第1審判決中,被上告人の過払金返還請求の
うちの一部を棄却した部分を取り消し,上告人に対し,第1審の認容額である28
万7552円及びうち27万2973円に対する平成17年11月19日から支払
済みまで年5分の割合による金員に加えて,43万8157円及びうち41万48
29円に対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を命じた。

(1) 同一の貸主と借主との間で継続的に貸付けとその弁済が繰り返される金銭
消費貸借契約においては,借主は,借入総額の減少を望み,複数の権利関係が発生
するような事態が生じることは望まないのが通常であると考えられるから,仮にい
ったん約定利息に基づく元利金が完済され,その後新たな借入れがされた場合で
も,少なくともそれらの取引が一連のものであり,実質上一個のものとして観念さ
れるときは,利息制限法違反により生じた過払金は新たな借入金元本の弁済に当然
に充当されるものと解するのが相当である。

(2) 本件においては,基本契約1の完済時から基本契約2の締結時まで取引中
断期間が約3年間と長期間に渡ったものの,この間に基本契約1を終了させる手続
が執られた事実はないこと,基本契約2締結の際の審査手続も基本契約1が従前ど
おり継続されることの確認手続にすぎなかったとみることができることを考慮する
と,基本契約1と基本契約2とで利率と遅延損害金の率が若干異なっており,毎月
の弁済期日が異なっているとしても,基本契約1及び基本契約2は,借増しと弁済
が繰り返される一連の貸借取引を定めたものであり,実質上一体として1個のリボ
ルビング方式の金銭消費貸借契約を成すと解するのが相当であるから,基本契約1
につき平成7年7月19日の弁済時に生じた過払金42万9657円は,その後平
成10年6月8日に50万円の貸付けがされた時点で,何らの意思表示をすること
なく同貸付金債務に当然に充当される(したがって,基本契約1の取引により生じ
た過払金について,上告人の主張に係る消滅時効は成立しない。)。これにより,
平成10年6月8日から平成17年7月7日までの借入れ及び弁済について,制限
超過部分を元本に充当されたものとして計算をすると,法定金利計算書1の番号7
5から220までに記載のとおり,平成17年7月7日の時点において過払金元金
68万7802円が,同年11月18日までに過払金利息3万7907円がそれぞ
れ発生している。

これに対し,第1審判決は,平成7年7月19日に生じた過払金42万9657
円は平成10年6月8日の貸付金債務に充当されないとする判断を前提として被上
告人の請求を一部認容しているが,その判断は誤りであるから,第1審の認容額に
加えて上記のとおりの金員の支払を命ずる。